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習近平訪米、成果喧伝の裏側で…

冷淡さ際立つ米国は中国との「取引」に乗るのか

2015年9月30日(水)

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写真:AP/アフロ

 習近平の訪米が終わった。どのような成果があったかをまとめてみたい。

 当たり前ではあるが、これは中国で報道されているのと、中国の外で報道されているのとではかなり温度差がある。米国の報道をみれば、実に低調で、CNN報道など、わざとかと思うくらい、習近平訪米ニュースを無視していた気がする。建前上、国賓待遇のもてなしであったが、政治的外交的成果は?というと、サイバー攻撃問題に関する合意にしても、軍事衝突の回避に関する合意にしても、気候変動協力に関する共同声明にしても、えーっと、だから?というぐらい、さらっとしか報じられていない。劇的に米中関係が改善されたとか、米国の中国に対する疑念が薄まったとか、信頼が深まったとか、ポジティブな評価がほとんどない。

ローマ法王大歓迎、習近平は「恥知らず」

 27日、中国の共同主催で国連で開かれたジェンダーの平等と女性の地位向上をテーマにしたサミットでは、UNウィメンに1000万ドルを寄付したり、女性の権利尊重を中国指導部として打ち出したりと、いいこと言っているのに、ヒラリー・クリントンから「フェミニスト活動家を迫害しておきながら、国連で女性の権利に関する会議を主催だと? 恥知らずな」とツイッターで突っ込まれるなど、冷ややかな反応しか見えてこなかった。実際、習政権は公共交通機関におけるセクハラ撲滅を訴えるフェミニスト活動家を「挑発罪」で不当逮捕して長らく拘束するなど、とても女性の権利重視の政権とはいえない。いいことを口でいっても行動がともなっていないのだから、この反応は仕方あるまい。

 習近平訪米に対する米国のメディアや世論の冷淡さは、ほぼ同じ時期に初訪米したローマ法王フランシスコ猊下関連報道の盛り上がりと対比すると、さらに際立つ。法王は習近平のかなわなかった米議会での演説を果たし、会場は満員御礼。テレビチャンネルのどこを開けても法王ニュース。一方、習近平の国連演説は閑古鳥が鳴いていた様子で、中国共産党に対して意地の悪い香港の蘋果日報がわざわざフランシスコ演説の写真と並べて報じていた。習近平サイドは、法王に話題を持っていかれるのが嫌で訪米日程をずらしてくれ、と内々に頼んだらしいが、オバマサイドは、時間の都合がつかない、ということでその要求を一蹴したとか。ひょっとしてオバマ政権の習近平政権に対する嫌がらせか、と思うほどの格差待遇であった。むしろ、日本メディアの方が、よほど好意的に報じていた気がする。

コメント3件コメント/レビュー

冷静で客観的な分析が、論理的でわかりやすい文章で書かれている。

オバマが「親中派」だとしたら、この先、世界は大変な事になるのでは・・・。(2015/10/01 02:20)

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「習近平訪米、成果喧伝の裏側で…」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

冷静で客観的な分析が、論理的でわかりやすい文章で書かれている。

オバマが「親中派」だとしたら、この先、世界は大変な事になるのでは・・・。(2015/10/01 02:20)

米議会での写真を見たが、ローマ法王やオバマに比べ習近平の演説は哀れなほどガラガラだった。一方、シリコンバレーでのビル・ゲイツやザッカーバーグなどの歓待ぶりは対照的なものがあり、政治とビジネスの狭間で揺れる西側の矛盾を象徴しているように思えた。
それにしても日本のマスコミ報道には疑念を感じざるを得ない。NHKのNW9などこの話題になると女性アナが急にそわそわして、まるで世界が注目する世紀の会談であるかのような印象づけを行っており、いったい連日のごとく領海侵犯を繰り返す侵略国を何ゆえここまで持ち上げるのか、その了見には呆れるしかない。(2015/09/30 13:17)

歪曲が多い中国報道(特に媚中方向)の中で、客観的で信頼できる記事だと感じました。(2015/09/30 10:52)

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