• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「人民元、SDR入り」で何が変わるのか

「ドルに取って代わる」中国の野望の行く先は

2016年10月5日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 中国の人民元がSDR(特別引出権)入りを無事に果たした。人民元のSDR入りは、為替市場の自由化、透明化など改革推進が交換条件だったはずだったが、実際のところその条件はまだ満たしていない。それでも加入させるとは、IMF(国際通貨基金)は中国に対しよほど寛容であるということなのか。それとも、その方が国際金融にとって“お得”なのか。

 人民元SDR入りで、いったい何が変わるのかは気になる。中国内外で報じられている分析を少し整理してみたい。

「世界金融支配」への第一歩

 IMFの加盟国に対し、出資額に比して配られ、通貨危機に陥った際には外貨に交換できる仮想通貨「SDR」。従来は米ドル、ユーロ、円、英ポンドが構成通貨であったが、ここに5番目の通貨として人民元が加わることになった。構成比率はドル、ユーロに続く10.92%で日本の8.33%を上回る。現実にはSDR入りしたからといって、各国中央銀行がすぐ外貨準備高として人民元保有を増やすようになるとか、人民元に対する信用が一気に上昇するというわけではないだろう。なぜなら、人民元は今なお、制限なく自由に外貨と兌換できる通貨ではないし、その相場は市場原理ではなく政府の介入によってなんとか安定しているからだ。

 米国はこれまでも、たびたび、中国を為替操作国と批判してきた。大統領選共和党候補のトランプ氏は、当選の暁には中国を為替操作国認定する、と言明している。SDR通貨は5年に一度見直され、その時、もし資格がないと判断されれば、SDRから外される可能性もある。今後5年の間で、人民元が市場化されるのか。本当に自由化されるのかによっても、影響力は変わってくる。

 一方、自由化市場についてあまり肯定的な姿勢ではない習近平政権にとっては、政治的な意味が大きい。人民元の国際通貨の仲間入りを政権として実現させた。ちなみに中国が長年、人民元のSDR入りに拘り続けてきたのは、米ドル基軸体制を切り崩し、人民元こそが国際基軸通貨として世界金融を支配するという遠大な野望の第一歩という位置づけだからだ。

コメント6件コメント/レビュー

商売で使っている人はともかく、世界中で、人民元を持ちたい、預金をしたいと思っている人はほとんどいないのではないか。

中国人民銀行が8月に公表したデータによると、人民元のマネーフロー(M2)は151兆元に達したという。これは現在のレートで約23兆ドルに相当し、米国の13兆ドルに日本の9兆ドルを加えた量よりも多いらしい。あまりに異状だし、異質の大国の面目躍如だ。

また、流通している偽札が多すぎることもあり、中国人自身も人民元を信用していない。不動産や金等の代替物を購入し、なるべく多額の現預金を保有しないようにしているらしい。

まさに青息吐息の大不況の中、輪転機を回すことで外貨不足、資金不足を解消し、最後の牙城である不動産バブルを維持しているのが現状だろう。こんな状況で、もし今完全な変動相場制にしたら、一瞬にして人民元は暴落することになる。

日本人でも、現地で仕事する人たちの中にはやむを得ず人民元預金を積み上げている人がいる。最近は日本の7−11店舗で中国銀行のデビットカードで円を引き出せるが、現在は1日3万円に制限され、全くもって腹立たしいと嘆く声も多い。更には中国銀行から香港のHSBCへの送金さえも、多額の場合は何かと書類(金の出所の適正性を審査する?)を要求されるようになり、非常に煩雑で明らかに難しくなっていると。

近い将来、人民元のSDR入りが時期尚早だったことを全世界が認識することになるだろうし、5年後に人民元がSDRから外されることを目の当たりにすることになるのかもしれない。(2016/10/05 17:43)

「中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス」のバックナンバー

一覧

「「人民元、SDR入り」で何が変わるのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

商売で使っている人はともかく、世界中で、人民元を持ちたい、預金をしたいと思っている人はほとんどいないのではないか。

中国人民銀行が8月に公表したデータによると、人民元のマネーフロー(M2)は151兆元に達したという。これは現在のレートで約23兆ドルに相当し、米国の13兆ドルに日本の9兆ドルを加えた量よりも多いらしい。あまりに異状だし、異質の大国の面目躍如だ。

また、流通している偽札が多すぎることもあり、中国人自身も人民元を信用していない。不動産や金等の代替物を購入し、なるべく多額の現預金を保有しないようにしているらしい。

まさに青息吐息の大不況の中、輪転機を回すことで外貨不足、資金不足を解消し、最後の牙城である不動産バブルを維持しているのが現状だろう。こんな状況で、もし今完全な変動相場制にしたら、一瞬にして人民元は暴落することになる。

日本人でも、現地で仕事する人たちの中にはやむを得ず人民元預金を積み上げている人がいる。最近は日本の7−11店舗で中国銀行のデビットカードで円を引き出せるが、現在は1日3万円に制限され、全くもって腹立たしいと嘆く声も多い。更には中国銀行から香港のHSBCへの送金さえも、多額の場合は何かと書類(金の出所の適正性を審査する?)を要求されるようになり、非常に煩雑で明らかに難しくなっていると。

近い将来、人民元のSDR入りが時期尚早だったことを全世界が認識することになるだろうし、5年後に人民元がSDRから外されることを目の当たりにすることになるのかもしれない。(2016/10/05 17:43)

ロバが旅に出たからといって、馬になって帰ってくるわけじゃない。(2016/10/05 17:02)

マルクス主義の劣化を恐れていた毛主席は、資本主義社会における主要メンバーの一員になったという習主席からの墓前報告をうけて、さぞ驚くことでしょう。墓前報告という習慣は無いかもしれないけどね(^^;)(2016/10/05 13:13)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員