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中国初のノーベル医学・生理学賞が浴びる苦言

なぜ中国で日本人受賞者が賞賛されるのか

2015年10月14日(水)

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 今年もノーベル賞の季節が終わった。今年は医学・生理学賞に大村智氏、物理学賞に梶田隆章氏と二日続けて日本人受賞者が出たので、日本中が祝賀ムードで沸いた。彼らの業績を一般庶民の私たちがものすごく深く理解しているわけではないのだが、純粋に同じ日本人の受賞がうれしい。これは当然の人間心理だと思っている。

 なので屠呦呦氏が中華人民共和国民として初の自然科学分野のノーベル賞、ノーベル医学・生理学賞を受賞したことに、中国人はさぞ大喜びをしていると思っていた。確かに最初の第一声は、歓声であった。だが、それに続く報道や世論がどうも微妙だ。純粋に喜び、祝福する声だけでないのである。それどころか、疑惑とか議論とネガティブな報道も多い。これはどうしたわけだろうか。

切望かなった自然科学分野の受賞

 屠氏は、ノーベル平和賞の劉暁波、ノーベル文学賞の莫言両氏に続く中華人民共和国3人目の受賞者。中国人民が切望していた自然科学分野のノーベル賞を初めてもたらした大功績者だ。しかも女性。女性科学者の受賞なんて、屠氏を含めてわずか13人、アジアでは初めてだ。さらに屠氏は中医学が専門であり、中国の伝統医学・中医分野がノーベル賞を受けるようなグローバルヘルスに貢献したことを、中国ならばさぞ鼻高々に喧伝するであろうと私は予測していた。だが、少し違うのである。

 まず屠氏の功績について紹介しておこう。

 1930年、浙江省寧波市生まれ。1951年に北京大学に入学し、医学院薬学部で生薬を専攻した。1955年、北京医学院(現北京大学医学部)を卒業後、衛生部傘下の中国中医研究院(2005年に中国中医科学院に名称を変更)に配属され、以降同院に所属。彼女は幼少期、故郷でマラリアが流行した際、中医薬の効果を目の当たりにしており、その時の衝撃が後に生薬研究の世界に進んだ動機であったらしい。彼女の研究テーマは中薬(生薬)と中西薬(中国製化学薬)の結合であり、伝統的な生薬の成分を科学的に解明することであったという。

コメント15件コメント/レビュー

興味深い見方だと思います。

私は逆に、ノーベル賞やオリンピックなどで国際的に評価されると、たとえ従来悪く言われていた人に対してさえ手のひらを返したように称賛の嵐になるニッポンの雰囲気のほうが異常に感じてきました。あわてて文化勲章を送ったりする例も散見されて恥ずかしい限りです。

コメントのなかにもありましたが、ノーベル賞をいただいたからといって、人格が優れているということにもなりませんし、研究機関を率いていく実力があるわけでもありません。そこのところを周囲もご自身も勘違いして、大きな理系の研究組織をだめにしてしまった例もありましたことですし。

そう考えると、これらの件から、ニッポンが素晴らしくて隣の大国はだめ、ということにもならないのかなぁと感じるのですがどうでしょう?(2015/10/15 14:06)

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「中国初のノーベル医学・生理学賞が浴びる苦言」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

興味深い見方だと思います。

私は逆に、ノーベル賞やオリンピックなどで国際的に評価されると、たとえ従来悪く言われていた人に対してさえ手のひらを返したように称賛の嵐になるニッポンの雰囲気のほうが異常に感じてきました。あわてて文化勲章を送ったりする例も散見されて恥ずかしい限りです。

コメントのなかにもありましたが、ノーベル賞をいただいたからといって、人格が優れているということにもなりませんし、研究機関を率いていく実力があるわけでもありません。そこのところを周囲もご自身も勘違いして、大きな理系の研究組織をだめにしてしまった例もありましたことですし。

そう考えると、これらの件から、ニッポンが素晴らしくて隣の大国はだめ、ということにもならないのかなぁと感じるのですがどうでしょう?(2015/10/15 14:06)

中国初の自然科学部門でのノーベル賞受賞にも関わらず現地から盛り上がりの声が聞こえてこないのは、以前財団が
反政府活動家への平和賞授与した際に国を挙げてノーベル財団と賞をディスった手前、念願の自然科学賞を貰っても素直に喜ぶことができないのだろうと思っていましたが、なるほどそういう経緯もあったのですか。。。。
元々自己主張の強い中国人なら大人しい日本人には傲慢に見えるレベルの隣人への耐性も高いだろうと想像しますが、そんな中国人からも嫌われるとなると相当な方なんでしょうかね。(2015/10/15 09:40)

最後の結論の部分にやはり違和感が残るような気がしてならないのでひと言だけ。ノーベル賞候補者を審査する人々は恐らく彼女の風評とその功績の背景とをこちらの記事程度に知った上で彼女にノーベル賞を与えることにしたのではなかろうかと思うのです。中国人ノーベル賞受賞者の他の二氏と同様、ノーベル賞の審査委員会?のアイロニーというか欧米人らしい偏執とか理屈っぽさのようなものを感じます。

だから記者さんが最後に日本のノーベル賞受賞者は云々という変化球を投げるよりは、こう何度も鞘当を食らうというのは欧米と中国の価値観はやはり相当違うらしいという直球がいいのでは。いや、記者さんが前文と最後の締めで日本と日本人へのご自身のエールを謳い上げるのはまったくもってご自由なんですが。わたしは逆に、これを読む欧米人の苦笑(「君、彼らにも彼らの自由があるんだから、さ」)を想像して心配になります…(2015/10/14 16:24)

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