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習近平「独裁」への勝利と妥協…党人事を読む

「5年後」に向け、共青団派との闘争は激化必至

2017年11月1日(水)

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第19回党大会で選ばれた中枢7人。習近平主席(中央)の独裁が確立されるのか。新たな5年闘争が始まった(写真:AP/アフロ)

 第19回党大会が10月24日に終わり、25日の一中全会(第一回中央委員会全体会議)で人事と党規約の改正が承認された。翌日の中国各紙の一面は、判で押したように、習近平の撮影用メークアップを施したつややかなポートレートを一面に大きく掲載。その他の政治局委員とは格が違うのだよ、と視覚的に訴えた。

 鄧小平の打ち立てた集団指導体制「書記は委員の一員であり上下関係はない。書記は党の委員会の中で平等な一員である」という1980年以来の規定を、習近平は時代は変わったのだ、と言わんばかりの態度で否定したわけだ。

 だが、今回の党大会が習近平の思惑通りに進み、その長期独裁体制確立の基盤を整えた、と判断するには時期尚早のような気がする。もちろん、今回の党大会で習近平一強体制は大きく前進した。だが、そう見える背後に、かなり激しい闘争の痕跡と、そして今後の闘争の激しさを暗示する材料もある。今党大会における習近平の勝利と妥協を分析してみよう。

過半数を押さえ、後継者候補を置かず

 勝利といえる点は、共産党中央委員のヒエラルキーの上部組織・政治局25人の顔ぶれの中に、明らかに習近平に従順、忠実な習近平派とみなせる人間が14人前後いることだ。つまり過半数が習近平派である。また中央委員会メンバー204人も引退年齢(68歳)に達していない共青団派メンバー、例えば李源潮や劉奇葆らが退任し、およそ6割が入れ替えられた。その多くが習近平におもねる政治家たちであった。これで、政治局会議、あるいは政治局拡大会議、中央委員会全体会議で習近平が、たとえば経済政策や外交などの失策で責任を問われて突然総書記職を解任される、といった可能性はなくなった。

 実は習近平はそれを恐れていた。共産党の権力闘争史では、こうした会議の場での政敵による多数派工作で権力の座から引きずり降ろされる解任劇はよくあった。華国鋒も胡耀邦も、旧ソ連のフルシチョフもそれで失脚した。

 さらに政治局常務委員会という共産党中央の最上部組織、最高指導部7人のメンバーには、習近平が最も恐れる男が入らなかった。広東省委書記であり政治局委員を5年務めた習近平より10歳若い共青団派のエース、胡春華である。

 これにより、最高指導部が後継者候補2人を指名し、政治局常務委員会入りさせ、その2人を競わせる形で指導者として育成するという慣例が破られ、習近平政権は後継者未定のままで、2期目に入ったわけである。習近平としては、後継者がいないという口実によって、自分が3期目も総書記・国家主席を継続して、党政・国政の主導権を握り続け、長期独裁体制を確立できる可能性が広がった。胡春華が政治局常務委員会入りできなかったことは、習近平の第19回党大会までの権力闘争における一つの大きな成果であったといえる。

コメント12件コメント/レビュー

「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」
この言葉に込められた意味をこのコラムで知ることができました。良かったです。習近平思想、ではなく、習近平新時代の思想、となっていることがポイントなのかもしれませんね。個人の思想ではなく時代の思想と読むこともできますから。(2017/11/02 10:40)

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「習近平「独裁」への勝利と妥協…党人事を読む」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」
この言葉に込められた意味をこのコラムで知ることができました。良かったです。習近平思想、ではなく、習近平新時代の思想、となっていることがポイントなのかもしれませんね。個人の思想ではなく時代の思想と読むこともできますから。(2017/11/02 10:40)

民主主義国家と違う共産国家ならではの権力闘争だね。(2017/11/02 06:58)

>共青団派との闘争は激化必至

それは人民中国の成り立ちから考え、「歴史の必然」だろう。
それが文革程度の武闘にまで高まるとは思わないが。
血みどろの政治闘争に多大なエネルギーを使い、政権の権威を保つために馬鹿げた開発投資を続けてくれるなら、周辺国はまず安心ではないだろうか。

逆にゴルバチョフ的人士が出現し、米国や周辺国と劇的に和解し、人民大衆の圧倒的支持を受けだせば、日本は相当困った事態になろう。
日本の悪夢、巨大中国の社会民主化と、米中二極時代がはじまってしまう。それはまたロシアや欧州にとっても面白くない事態に違いない。

大戦直後、アメリカは二度と日本を「立ち上がれない」二流以下国家に堕とそうと決意していた。蒋介石は莫大な賠償を主張し、アメリカも国府による中国支配を支援した。
米国の偉大な同盟者たる国府がスターリンに睨みをきかし、危険な聖戦国日本の頭を押さえつけ、米中と「ソ」西欧ぐらいで戦後世界を支配しようともくろんでいた。
それを見事に打破し、日本のお家再興と再繁栄のきっかけを作ったのが、毛沢東に間違いなかろう。今我々は毛沢東の「皮肉な遺産」で繁栄を維持している。(2017/11/02 06:07)

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