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なぜ“張陽上将”は「自殺させられた」のか

“クーデター”説、汚職説が交錯、「無茶な粛清」の行方は

2017年12月6日(水)

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 中国国内では、張陽は習近平に2014年に失脚させられた解放軍長老の重鎮中の重鎮・徐才厚と密接な関係があり、徐才厚の汚職に連座していたことをほのめかす報道がされている。また、張陽は広州軍区時代、多くのビジネスマンから賄賂を受け取り、別荘のリフォーム代など300万元などを支払ってもらった、などと一部報道で伝えられている。

 確かに徐才厚は長年総政治部主任を務めており、同じ政治部系の道を歩む張陽にとっては上司である。だが「博聞ニュース」など香港情報によれば、張陽は、米国に逃亡中の闇の政商・郭文貴に2000万元および200丁の銃を与えていたという説もある。のちに北京郊外で、これら銃が発見されたが、郭文貴はこの銃の来歴を一切説明していない。張陽は軍の規律検査委からの取り調べに対して、これらの銃を北方工業公司で購入し、アフリカの某国の名義で一度海外に集荷した後、再び国内に返送させ、北京郊外の某所に隠しておいたことを自白したという。張陽は“クーデター”計画にかかわっていた、というのである。

どの“クーデター”か

 では、この“クーデター”とはいつの“クーデター”のことなのか。実は習近平政権になってから“クーデター”騒ぎの噂はいくつかあるのだ。

 有名なのは2012年3月19日の解放軍と中央警衛局と公安警察が複雑に絡み合う“3・19政変”の噂だ。この夜、北京の公安大楼付近で何があったのかは真相不明。ただ、銃声が聞こえ、装甲車が出動する異変が起きていた。

 その前日未明には令計画(胡錦濤の側近、失脚済)の息子のフェラーリ事件が起きている。令計画の息子・令谷が運転する黒のフェラーリが北京市内で事故を起こし、死亡した事件だ。同乗していたチベット族幹部の娘2人とともに裸で発見された衝撃的な事件で、当時は緘口令が敷かれたが、目撃者が多すぎて、隠し通せなかった。

 この翌日に“3・19政変”と呼ばれる異変が起き、これは薄熙来失脚を受けて、薄熙来とともに政変計画を立てていた周永康が起こしたアクションだといわれている。令計画の失脚は、表向き周永康の汚職に連座していたことになるが、フェラーリ事件が令計画を陥れるための謀略であったという説、令計画を守るために、胡錦濤(当時中央軍事委員会主席)が中央警衛局や38集団軍を出動させ、それに周永康が指揮する公安及び武装警察が対峙した、という説など、入り乱れている。

 ちなみに私は、令計画と周永康が共謀して習近平を失脚させようとした、という通説は疑っている。令計画は周永康と結託していたという濡れ衣でもって習近平に失脚させられたのではないか。

コメント13件コメント/レビュー

13億もの民を持つ国の一般人民が自国の内実に全く近づけないというところ自体、中華人民共和国という国家はその実、現代どころか近代国家の体すらをもなしていないと思う。人々の知らない雲の上なる闇でほとんどの重要決定が為され、その負担を担いまたツケを払わされる立場にあるのは人民。権力者にとっては誠に都合の良い国家システムだ。(2017/12/09 23:02)

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「なぜ“張陽上将”は「自殺させられた」のか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

13億もの民を持つ国の一般人民が自国の内実に全く近づけないというところ自体、中華人民共和国という国家はその実、現代どころか近代国家の体すらをもなしていないと思う。人々の知らない雲の上なる闇でほとんどの重要決定が為され、その負担を担いまたツケを払わされる立場にあるのは人民。権力者にとっては誠に都合の良い国家システムだ。(2017/12/09 23:02)

中国は意に沿わないムガベをクーデターで失脚させましたが
次は習氏がムガベの二の舞を踏むことになるのでしょうか?(2017/12/07 22:14)

大祖国戦争序盤の赤軍の大敗北は、ヨシフ閣下の大粛正による人員不足も重大な要因の一つですからね。
まあ、「敵」は弱いに越した事無いですが……
そう言えば日清日露とも、「敵」は日本そっちのけで内紛に明け暮れていたのでしたっけ。
歴史は繰り返すと言いますが、さて……(2017/12/07 14:45)

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