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2018年秋、習近平は「裏門」を開けられるか

「青空」の下で高まる「人民の不満」、対応を誤れば…

2018年1月1日(月)

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年末年始の特別企画として、日経ビジネスオンラインの人気連載陣や記者に、それぞれの専門分野について2018年を予測してもらいました。はたして2018年はどんな年になるのでしょうか?

(「2018年を読む」記事一覧はこちらから)

習近平主席は「人民の不満」に対処できるのか(写真:新華社/アフロ)

 2017年暮れに北京、山西省雲城、河北省・石家荘、貴州省貴陽と所用があって出かけてきた。一つ印象的であったのが、空気がずいぶんきれいになっていたことだった。北京でも山西でも河北で貴州でも、現地に行って一番最初に接触する中国人、つまり地元のタクシー運転手や白タク運転手たちが共通して口にしたことは、「今年の空気はずいぶんいいだろ。太陽が見えているからな」というセリフだった。言い方は、それぞれの表現があるが、北京や河北や山西では、この季節、スモッグがひどくて太陽が鈍いオレンジ色をしている日が多い。だが、今年の冬は太陽の日差しが北部の黄色い大地に届いていた。もちろん、まったく大気汚染がないということはなく、東京などと比べると、やはり空気の透明度は相当低いのだが、一時のひどいPM2.5のことを思えばすばらしく空気がきれいになった。

「よくなったのは空気だけ」「追っ払われたのさ」

 地元の中国人はこれを「習近平の青空」と呼んだ。なぜなら、この青空は、習近平政権の数々の政策、つまり北京など北部での「煤改気」と呼ばれる「石炭から天然ガスへの燃料転換」(途中で、石炭の代わりに使用されている天然ガスの高騰で、この通達は一部緩和された)や、北部の大気汚染原因である中小工場の一斉閉鎖や、北京市での冬季の建設プロジェクト中止、爆竹の禁止などの通達による効果とみられるからだ。興味深いのは、「では習近平政権のおかげで、大気汚染が改善されたんだな。みんな喜んでいるかい?」といった問いかけをすると、必ずしも肯定的な答えは返ってこない。

 「よくなったのは空気だけだな」「習近平の青空のために我々はたくさん犠牲をはらっている」「我々の指導者は、民生よりも国防や国家のメンツを重視しているんだ」といった微妙なニュアンスの答えが返ってくる。

 かつて貧困の代名詞であった貴州省の省都・貴陽はいたるところで高層ビル建設、再開発、モノレール建設が進み、いかにも景気がよさそうだが、では地元のタクシー運転手たちの稼ぎがよくなったか、生活がよくなったか、という話になると、「農村がいきなり強制撤去された」「新しくできた都市やマンション街にやってきたのは外地のやつらばかり」「確かに月収はこの数年よくなったが、それ以上に物価が高くなったので生活は前より悪くなった。特に家賃の高騰がひどい」といった不満の声の方が多い。

 山間部の小さな少数民族の村がいきなり消えてそびえるようなマンション群、別荘群が登場するが、買い手は外国籍を持つ華僑らだ。貴陽は今後、世界のビッグデータセンターとして、国際的なIT、AI、VR関連企業が集中すると喧伝されているので、目ざとい華僑の金持ちたちは値上がりを見込んで不動産を買いしめる。では、そこにもともと住んでいた、いまだ民族衣装を日常に来ている高齢者も含む村民たちはいったいどこにいったのだろう? 案内してくれた運転手に聞くと「追っ払われたのさ」。貴州省のGDPが急上昇しているのは、建設ラッシュぶりをみれば納得がいくのだが、肝心の人々の暮らしがどのくらいよくなったのか、という話になると、あまり見えてこない。

コメント13件コメント/レビュー

中国民主主義人民共和国が成立してかれこれ70年。その間、共産主義に敵対する勢力や、共産主義に不要な人々を粛清した筈ですよ。その上、残された人民に共産主義思想や何とか語録に反日思想を注入し続けたのに、まだ党にも人民にも徹底されていないんですね。それで最初からやり直そうと思っているのかしら?
だとすると人間を分かっていないって事になりますよ。人口を1/10位まで減らすつもりで精選しても、新しく生まれた世代はやっぱり様々な考えを持つはずでね。マルクスの頭一つで考えた、歴史にもまれていない思想なんぞ長続きする筈もないんです。歴史の中で自然発生的に作られた民主主義や資本主義は強烈なドグマが無い為に、修正も容易で、だから生き残れているんですもん。
主席の「薄汚れた」家族や部下がそのままではダブルスタンダードですし、それでは「清く正しい」部下は育ちません。そんな政府を人民はどう判断するのでしょうか?(2018/01/08 22:14)

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「2018年秋、習近平は「裏門」を開けられるか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中国民主主義人民共和国が成立してかれこれ70年。その間、共産主義に敵対する勢力や、共産主義に不要な人々を粛清した筈ですよ。その上、残された人民に共産主義思想や何とか語録に反日思想を注入し続けたのに、まだ党にも人民にも徹底されていないんですね。それで最初からやり直そうと思っているのかしら?
だとすると人間を分かっていないって事になりますよ。人口を1/10位まで減らすつもりで精選しても、新しく生まれた世代はやっぱり様々な考えを持つはずでね。マルクスの頭一つで考えた、歴史にもまれていない思想なんぞ長続きする筈もないんです。歴史の中で自然発生的に作られた民主主義や資本主義は強烈なドグマが無い為に、修正も容易で、だから生き残れているんですもん。
主席の「薄汚れた」家族や部下がそのままではダブルスタンダードですし、それでは「清く正しい」部下は育ちません。そんな政府を人民はどう判断するのでしょうか?(2018/01/08 22:14)

正直、驚きました。
中国には失望していて関心を払ってこなかったのですが、
ここへきて、この変革ですか。

習さんの改革が成功するかどうかはわかりませんが、
彼の政策は中国の『薄汚れた』人民にとって過酷な反面、
地球環境と、中国の『清く正しく生きたい』人民に優しい。

抜け道があるから、ルールを守って商売していては、商売にならないのです。
すべての人に公平に厳しい規則が適用されれば、ルールを守っての商売、可能になりますよ。

腐敗しきったところからの、ほとんど革命とも呼ぶべき変革が可能なのかどうか、
地球環境と人類の未来がかかっていると言っても過言ではない習さんの挑戦を、
草葉の影から見守らせて頂きます。(2018/01/07 15:22)

国としては先軍主義・覇権主義で国際的発言力は高まるも、善くも悪くも中国人の底知れぬバイタリティを毛沢東がやった様に奪ってしまう方向性は長期的には衰退を招くであろうし、「善い中国人」を駆逐してしまう結果になるのでは無いかと懸念します。

結局国家をまとめる為に、江沢民が行った様な幻の南京大虐殺をテーマに「反日大運動」を起こして国内の不満を日本に向ける事に成るのでしょうね。(恥知らずにも、自分たちはチベットや東トルキスタンを侵略・虐殺・民族浄化を行いながら)(2018/01/05 16:07)

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