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2018年秋、習近平は「裏門」を開けられるか

「青空」の下で高まる「人民の不満」、対応を誤れば…

2018年1月1日(月)

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 「習近平はものすごく切れやすい」と、ある北京都市民は語った。ニュースにはなっていないが、トランプ米大統領が訪中したとき、首都国際空港の付近で小さな工場が爆発事故を起こした。それは偶然の事故だったが、習近平は、これに激怒し、すぐさま空港周辺5キロの工場をすべて問答無用でつぶした。こうした工場の中には安全基準に問題のあるものもあったが、多くは出稼ぎ者や周辺の村の農民の現金収入源であった。こうした中小工場は、地元の政府や党委員会の関係者に、ささやかな賄賂を贈ってお目こぼししてもらって営業していたが、この一斉閉鎖命令は、地元の政府や党委員会を越えて党中央の指示であったために、言い訳も懇願も通用しなかった、という。

「普通の中国人にとって悪い方向だ」

 大興区の火事をきっかけに「低端人口」の追い出し政策を実行したのは、北京市委書記の蔡奇であるとして、批判はもっぱら蔡奇に向かっている。だが、ある事件をきっかけに、「キレた」ように、強権的な政策をいきなり一気に容赦なく実施するのは、習近平の性格を反映しているのではないか、と思う。

 北京を中心に、北部の人たちの多くが今なんとなく予感しているのは「中国は今激しく変化している。しかも普通の中国人にとっては悪い方向だ」ということだ。

 今振り返ると、2008年の北京五輪前も、確かに土地の強制収用問題とそれにともなう人権問題、急激な再開発計画による人々の暮らしへの激震というものがあり、多くの庶民が戸惑い顔を見せたが、少なくとも、あの時の変化は、まだ自分たちが予想できる範囲の変化であり、また中国全体に、明日はもっとよくなるはず、という期待感はあったように思う。だが、知り合いの北京市民の間で聞こえるのは「今の中国の変化は予想を上回る。あす、どんな通達が出て、これまで許されてきた生き方が、ダメだといわれるか、正直わからなくなっている」という不安だ。

 いきなりの明日働く場所が失われる。いきなり住んでいるところが撤去される。今まで習慣化していたささやかな脱税や密輸が、いきなり信頼する部下や同僚に密告され刑務所に入ることになる。今まで存在はしていたが、守らなくてよかった法律がいきなり厳密に施行され、いきなり巨額の罰金が科される。そういった話を北京のあちこちで聞いた。

コメント13件コメント/レビュー

中国民主主義人民共和国が成立してかれこれ70年。その間、共産主義に敵対する勢力や、共産主義に不要な人々を粛清した筈ですよ。その上、残された人民に共産主義思想や何とか語録に反日思想を注入し続けたのに、まだ党にも人民にも徹底されていないんですね。それで最初からやり直そうと思っているのかしら?
だとすると人間を分かっていないって事になりますよ。人口を1/10位まで減らすつもりで精選しても、新しく生まれた世代はやっぱり様々な考えを持つはずでね。マルクスの頭一つで考えた、歴史にもまれていない思想なんぞ長続きする筈もないんです。歴史の中で自然発生的に作られた民主主義や資本主義は強烈なドグマが無い為に、修正も容易で、だから生き残れているんですもん。
主席の「薄汚れた」家族や部下がそのままではダブルスタンダードですし、それでは「清く正しい」部下は育ちません。そんな政府を人民はどう判断するのでしょうか?(2018/01/08 22:14)

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「2018年秋、習近平は「裏門」を開けられるか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中国民主主義人民共和国が成立してかれこれ70年。その間、共産主義に敵対する勢力や、共産主義に不要な人々を粛清した筈ですよ。その上、残された人民に共産主義思想や何とか語録に反日思想を注入し続けたのに、まだ党にも人民にも徹底されていないんですね。それで最初からやり直そうと思っているのかしら?
だとすると人間を分かっていないって事になりますよ。人口を1/10位まで減らすつもりで精選しても、新しく生まれた世代はやっぱり様々な考えを持つはずでね。マルクスの頭一つで考えた、歴史にもまれていない思想なんぞ長続きする筈もないんです。歴史の中で自然発生的に作られた民主主義や資本主義は強烈なドグマが無い為に、修正も容易で、だから生き残れているんですもん。
主席の「薄汚れた」家族や部下がそのままではダブルスタンダードですし、それでは「清く正しい」部下は育ちません。そんな政府を人民はどう判断するのでしょうか?(2018/01/08 22:14)

正直、驚きました。
中国には失望していて関心を払ってこなかったのですが、
ここへきて、この変革ですか。

習さんの改革が成功するかどうかはわかりませんが、
彼の政策は中国の『薄汚れた』人民にとって過酷な反面、
地球環境と、中国の『清く正しく生きたい』人民に優しい。

抜け道があるから、ルールを守って商売していては、商売にならないのです。
すべての人に公平に厳しい規則が適用されれば、ルールを守っての商売、可能になりますよ。

腐敗しきったところからの、ほとんど革命とも呼ぶべき変革が可能なのかどうか、
地球環境と人類の未来がかかっていると言っても過言ではない習さんの挑戦を、
草葉の影から見守らせて頂きます。(2018/01/07 15:22)

国としては先軍主義・覇権主義で国際的発言力は高まるも、善くも悪くも中国人の底知れぬバイタリティを毛沢東がやった様に奪ってしまう方向性は長期的には衰退を招くであろうし、「善い中国人」を駆逐してしまう結果になるのでは無いかと懸念します。

結局国家をまとめる為に、江沢民が行った様な幻の南京大虐殺をテーマに「反日大運動」を起こして国内の不満を日本に向ける事に成るのでしょうね。(恥知らずにも、自分たちはチベットや東トルキスタンを侵略・虐殺・民族浄化を行いながら)(2018/01/05 16:07)

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イアン・ブレマー 国際政治学者