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糸魚川大火、アイスのようにクルマが溶けた猛威

「糸魚川駅北大火」の現場で得た教訓(1)

2017年1月10日(火)

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焼損棟数144棟、焼損面積約4万㎡(約1万2000坪)、負傷者11名、鎮圧に要した時間10時間30分(消防庁による)。(撮影:山根一眞)

 昨年末、2016年12月22日午前10時20分頃に発生した新潟県糸魚川市の大火から2週間が過ぎた。

 現地では、3月末までに民有地のがれきを撤去すべく、その作業が1月6日に開始。被災された方々にとっては「がれきの撤去は一日も早く」という思いだろう。
 その一方で、被災地以外の人々はあの大火を急速に忘れ始めている感がある。

 被災された方々にとって今年の新年は、それぞれの生活、それぞれの住まい、それぞれのビジネスの再興を目指す厳しい決意で迎えたはずだが、新年のテレビ番組では糸魚川市への励ましや支援の思いを込めた放送もほとんどなかった。

 熊本地震、鳥取県中部地震、台風10号の北海道や岩手県岩泉町水害、そして糸魚川火災。災害多発時代ゆえ、私たちは「我が身にふりかからなかった」巨大災害に対してかなり鈍感になっている。

 だが、同じような巨大災害は自分が暮らす土地に見舞う可能性がある。
 私の家が、私の会社が、私の街が炎に包まれないとは言い切れない。
 明日にでも「我が身にふりかかる」かもしれない災害を防ぎ、あるいは被害をできるだけ少なくするためには、巨大災害の被災地からできるかぎりの「教訓」を得なくてはいけない。
 「我が身にふりかからなかった」からと言って、早々と忘れてはいけない。

 糸魚川火災から4日後の2016年12月26日の早朝、糸魚川大火のニュースを見ながら思った。

 東日本大震災以降、私たちが備えるべき巨大災害の第一の関心は巨大地震、そして津波だった。しかし巨大災害は地震・津波だけではない。大規模水害や竜巻、豪雪、巨大噴火、そして大火も忘れてはいけなかったんだ…。

 阪神・淡路大震災以降、巨大災害を大きなテーマとしてきただけに、糸魚川の被災地を見ないですませるわけにはいかない。
 現地入りし私なりの調査・記録をし、教訓を得て、それを広く伝えなければ。(早朝、まだ寝床にいた妻を起こし、「これから糸魚川へ行ってくる!」と話したところ、妻は凍ったように私をじっと見つめるばかりだったが)

コメント8件コメント/レビュー

可燃物の多い場所、住宅密集地や森林で火災が起きたとき、最も効果的な消化方法は燃えるものをなくすこと。
森林の場合は、延焼方向の樹木などを切ってしまうことで止めることができる。
江戸の時代は住宅を壊していたという話をどこかで見かけたが、現代ではおいそれと破壊するわけにはいかない。一定の幅の道路で仕切ってしまうという予防方法もあるが、大規模な区画整理になるのでこれも机上の空論に近い。
もうひとつは燃えない・燃えにくい住宅にすること。
既に元の生活に戻ったというお宅は、窓を強化したり屋根を工夫したりして焼失を免れた。住宅密集地ではどのように飛び火してくるかということを正確に把握し、対策した結果だ。
それなりにコスト高になるようなので、補助金など出して町全体が火事に強くなれば、こうした大火は無くせるかもしれない。
消火栓は無いに越したことはないだろうが、あまり費用対効果は上がらないのではなかろうか。(2017/01/12 09:37)

「山根一眞のポスト3・11 日本の力」のバックナンバー

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「糸魚川大火、アイスのようにクルマが溶けた猛威」の著者

山根 一眞

山根 一眞(やまね・かずま)

ノンフィクション作家

ノンフィクション作家として先端科学技術分野の熱い人間像を描き続ける一方、3.11被災地支援活動も人生の大きな柱です。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

可燃物の多い場所、住宅密集地や森林で火災が起きたとき、最も効果的な消化方法は燃えるものをなくすこと。
森林の場合は、延焼方向の樹木などを切ってしまうことで止めることができる。
江戸の時代は住宅を壊していたという話をどこかで見かけたが、現代ではおいそれと破壊するわけにはいかない。一定の幅の道路で仕切ってしまうという予防方法もあるが、大規模な区画整理になるのでこれも机上の空論に近い。
もうひとつは燃えない・燃えにくい住宅にすること。
既に元の生活に戻ったというお宅は、窓を強化したり屋根を工夫したりして焼失を免れた。住宅密集地ではどのように飛び火してくるかということを正確に把握し、対策した結果だ。
それなりにコスト高になるようなので、補助金など出して町全体が火事に強くなれば、こうした大火は無くせるかもしれない。
消火栓は無いに越したことはないだろうが、あまり費用対効果は上がらないのではなかろうか。(2017/01/12 09:37)

隣県の富山県に住んでいますが、あの日は12月も下旬だというのに富山・石川の両県で最高気温が20度を超え強風が吹き荒れていましたから、火災には十分過ぎる程気を付けても、それでも足りないような気象状況でした。
それなのにあの失火理由。あの時程腹立たしく思ったことはありませんし、ほんの1人の過信から住宅密集地では大火は簡単に発生しうる厳し過ぎる現実を、後世の方も含めて専門家の目から世界中に語り伝えて言ってくれることを強く期待します。(2017/01/10 17:27)

糸魚川大火に関するニュースを見聞きしていると、防火といえば建築、消火といえば消防に関するものがほとんどです。防火に適した町とはいかなるものか、消火に適した町とはいかなるものかを論じたものをみかけません。特に今回風下からの消火が出来ていなかったように感じているのですが、データが少なくてよくわかりません。
また、保険などの財務的な話もあってもいいと思います。(2017/01/10 13:02)

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