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「ドラマ仕立て止めて」神戸の無念、熊本で再び

[熊本地震]報道されないあの事、あの人(2)

2016年4月30日(土)

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熊本地震で被害を受けた益城町の避難所。食事の配給には長い行列、地面には傷跡がくっきりと。何を、いかに伝えるか。報じる者の姿勢が問われている(写真:Abaca/アフロ)

 2016年4月14日、「熊本地震・前震」の発生後、多くの報道陣が現場入りした。そのテレビ中継や取材が継続中の16日未明に震度7の「本震」が見舞ったため、私たちは、日本では観測史上5回目となる「最大規模の地震」のさまをリアルタイムで「見る」ことになった。

 巨大地震の震源地からのリアルタイム中継をテレビの全系列局が行ったのは、日本の報道史上に残るできごとだった。

現場にBGMはない

 ある民放局は、4月16日未明の「本震」発生と同時に滞在先のホテルの自室から飛び出し屋外へと避難する若い女性レポーターの興奮した映像を放送した。
 そのカメラは、ホテルの廊下で出会った2人の若い女性従業員がとった行動もとらえていた。従業員といえども一刻も早く屋外へ避難したかっただろうに、2人は客室を1室ずつノックして「だいじょうぶでしたか」と確認していたのだ。

 そのさまは、沈没前のフェリーから真っ先に逃げしたあの船長の姿と対極をなすもので、深く感動した。若い2人の女性の行動は、日本人の資質の高さを物語っており、同じ日本人として大きな誇りを覚え、感謝でいっぱいだった。
 意図せず偶然撮れた映像とはいえ、巨大地震の被災地にいち早く入ったテレビ報道陣だからこその、大きな成果だった。

 しかしその一方で、テレビ報道がこの巨大災害をドラマ仕立てにしているケースが少なくないことには、大きな違和感を覚えた。2回の「震度7」をふり返るワイドショーの番組では、倒壊した家屋から救出される被災者の姿などの映像に、いつもの仰々しいアナウンスとともにBGMをかぶせていた。これには正直、腹が立った。「災害はエンターテイメントじゃないんだぞ!」。

 ネット上には、テレビ報道の無神経な取材への批判が多く書き込まれている。

 そこで思い出したのが、私がパソコンに記録しておいた、以下のメッセージだ。

 テレビ報道関係者のかたへ(意見)
 地震関連のテレビ報道関係者がみておられましたら、これを読んで下さい。

コメント27件コメント/レビュー

山根さんは「被災地以外のあらゆる人々に、次の巨大災害にどう備えるかの教訓を伝えるために」という真面目な方なので問題はないと思います。

言わなくても周知のことでしょうが、興味本位の報道がいけないのです。そういう報道に対して「二律背反」を持ち出すのは寛大すぎます。

災害や犯罪の報道を娯楽に変えてしまうマスコミの体質はどうやったら直るのでしょうかねぇ。例えば、災害や犯罪の報道の番組ではコマーシャルを流すのを禁止するなんてのはどうでしょう。そうすると、スポンサーからのお金がないので、最低限の報道しかしなくなるのでは。(2017/01/10 13:52)

「山根一眞のポスト3・11 日本の力」のバックナンバー

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「「ドラマ仕立て止めて」神戸の無念、熊本で再び」の著者

山根 一眞

山根 一眞(やまね・かずま)

ノンフィクション作家

ノンフィクション作家として先端科学技術分野の熱い人間像を描き続ける一方、3.11被災地支援活動も人生の大きな柱です。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

山根さんは「被災地以外のあらゆる人々に、次の巨大災害にどう備えるかの教訓を伝えるために」という真面目な方なので問題はないと思います。

言わなくても周知のことでしょうが、興味本位の報道がいけないのです。そういう報道に対して「二律背反」を持ち出すのは寛大すぎます。

災害や犯罪の報道を娯楽に変えてしまうマスコミの体質はどうやったら直るのでしょうかねぇ。例えば、災害や犯罪の報道の番組ではコマーシャルを流すのを禁止するなんてのはどうでしょう。そうすると、スポンサーからのお金がないので、最低限の報道しかしなくなるのでは。(2017/01/10 13:52)

4月26日に在京TV局6社に以下の提言をしましたが、音沙汰無しです。

熊本地震発生から1週間が経過し、避難所の数・避難者の数・避難所のニーズ(物資の過不足)について行政も国も全く把握できておらず、過去の教訓が全く生かされていない、との国・自治体に対する批判的な報道が始まっています。この課題を解決できるのは唯一TV局のみであり、TV局がこの責務を果たすべきであると考え、以下に提案させて頂きます。
【提言】
今回の大地震を例にするとNHKは熊本市北半分、TBSは南阿蘇、日テレは益城など各地区別に分担し、被災状況や避難所情報(数・人数・ニーズ等)を刻々と情報発信し続ける。
【期待できるメリット】
①6社がそれぞれ20の取材クルーを派遣したとして、現状では20の重複した情報しか得られないが、地区別に分担すれば120のきめ細かな情報が得られる。
②国・自治体は報道をチェックするだけで避難所の数、人数、ニーズの推移がリアルタイムで把握できる。
③避難所上空を複数のヘリが四六時中飛来することによる被災者のストレスが大幅に軽減される。
④被災者を親類・知人に持つ遠方の国民は特定のCHをチェックすることでリアルタイムの詳細な状況把握が可能となる。
⑤これが最も価値あるメリットですが、後々、国交省を中心に専門家や有識者による解析と対策立案に際して、これまでとは比較にならない量と質の資料が提供される。
※どのチャンネルを選んでも「パイプ椅子のSOSばかり」といった報道姿勢はもう終わりにしませんか?(2016/05/10 17:45)

ワイドショー報道をする側の言い分は、こういう報道をすると視聴率を取れるからなのでしょうね。
そりゃ耳目を集める話題ですし、本当に情報を欲している人だって殆どノイズの中から少しでも有益な情報が無いかかき集めようとする筈ですから、率は高くなって当たり前の話です。さらに、わざわざ予定を変更して各社類似内容を垂れ流すんですから、そもそも競合する番組が無い。これで視聴率が下がる方がおかしいでしょ。

野次馬のための報道合戦が続くなら「テレビを切る」という別のコメントにも大いに賛同します。(2016/05/09 13:45)

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三品 和広 神戸大学教授