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迫るロシアの脅威、バルト3国の悲劇再来を防げ

2017年7月26日(水)

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ロシア軍は今年9月、バルト3国周辺で10万人の将兵を動員した大規模な軍事演習を実施する。ロシアによるクリミア併合以来、バルト3国の首脳や市民の間では、プーチン政権に対する不安が高まっている。こうした中、ドイツなど西側諸国は、バルト3国に初めて戦闘部隊を派遣し、ロシアに対する抑止力の強化を目指している。

バルト3国で目立つNATOの将兵たちの姿

 7月13日午前8時頃、筆者はラトビアの首都リガのホテルで、朝食をとっていた。この時、多くの観光客に混ざって、米軍の第1騎兵師団の兵士が食事をしているのに気付いた。彼の迷彩服の腕には、馬の頭をあしらった師団マークが縫い付けられている。太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などに参加した、米軍で最も有名な師団の一つだ。

 リトアニアの首都ビリニュスのホテルでは、米国の第81空挺師団「オールアメリカン」の兵士を見た。アルファベットのAを2つ並べた師団マークが、誇らしげに腕に縫い付けられている。第二次世界大戦ではノルマンディー上陸作戦に参加した、エリート部隊である。

 ビリニュスのホテルにはドイツ連邦軍の野戦憲兵、エストニアの首都タリンではカナダ軍の兵士たちも泊まっていた。日本人の目には、迷彩服姿の兵士たちが市民たちとともにビュッフェ形式の朝食を取っているのは、異様な光景だ。1990年代のボスニア内戦直後に、サラエボのホリデイ・インホテルのエレベーターの中で、自動小銃を持った迷彩服姿の兵士たちと出くわしたことを思い出した。

 筆者が見たのは、北大西洋条約機構(NATO)がロシアからの脅威に対抗するため、今年1月にバルト3国とポーランドに派遣した戦闘部隊に所属する兵士たちである。高速道路を車で走っている時も、緑色と黒色の迷彩が施されたジープやトラックの車列とときおりすれ違う。

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「迫るロシアの脅威、バルト3国の悲劇再来を防げ」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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