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VW不正とピエヒ会長失脚が続いたのは偶然か?

欧州産業史上、最悪のスキャンダルがもたらす余波(中編)

2015年10月7日(水)

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 さてVWの排ガス不正が発覚したのは米国だが、本当に事態が深刻なのは、欧州である。米国や日本と異なり、欧州ではディーゼル車の人気が非常に高く、乗用車の約56%がディーゼルエンジンを積んでいるからだ。

VWのマルティン・ヴィンターコルンCEO(中央、当時)と、フェルディナンド・ピエヒ監査役会長(右、同)[写真:ロイター/アフロ]

 ドイツでもディーゼル比率は48%に達する。ドイツではディーゼル用の燃料がガソリンよりも安く、多くの市民が「ディーゼル車の方がガソリン車よりも長持ちする」という一種の「ディーゼル信仰」を持っている。ディーゼル車をこまめに整備しながら、40万キロメートルも乗るカーマニアは珍しくない。

乗用車の半数がディーゼル

 米環境保護局(EPA)によると、不正ソフトが搭載されているフォルクスワーゲン(VW)車の台数は、米国だけで48万2000台。これに対しVWは、9月29日に「約500万台の車をリコールする」と発表している。本稿を執筆している10月2日の時点では、VWはその内訳を発表していない。

 各国政府の発表などを総合すると、リコール台数はドイツで280万台、フランスで95万台、スペインで70万台、ベルギーで40万台、オーストリアで36万台に達するものと推定されている。

 同社は今後、問題のソフトが搭載されている車の所有者1人1人に手紙を送り、修理工場で改善措置を施さなくてはならない。VWは不正発覚後、65億ユーロ(約9100億円)の資金を用意したことを明らかにしたが、これはリコールにかかる費用だけである。

 現在監査役会が行っている調査の焦点は、「誰が不正ソフトの搭載を決めたのか」「(CEO=最高経営責任者だった)マルティン・ヴィンターコーンなど経営陣は、不正ソフトの使用を知っていたのか」という点である。

 社内調査委員会は、監査役会に9月30日に提出した中間報告書の中で、「EA189型ディーゼルエンジンに不正ソフトを搭載する決定は、2005年から2006年に、VWのヴォルフスブルク本社で行われた」という見方を明らかにしている。

 現在その中で注目されているのが、2011年に同社のエンジン開発部長となり、2013年から取締役となったハインツ・ヤーコブ・ノイサーである。彼は他のメーカーでもエンジン開発を担当した、有能なエンジニアだ。VWはノイサーら数人の幹部社員を自宅待機処分にし、事情聴取を行っている。

 ドイツの公共放送局NDRなど複数のメディアは、「2011年にVWのエンジニアがノイサーに対して、不正ソフトについて指摘したが、ノイサーは真剣に対応しなかった。エンジニアは、この事実を調査委員会に報告している」と報じた。だがノイサーが内務告発をもみ消したのか、彼が不正ソフトの搭載に関わっていたかどうかは、まだ確認されていない。

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「VW不正とピエヒ会長失脚が続いたのは偶然か?」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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