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人手不足の本番はこれからだ

やりがいを感じられる職場作りが急務

  • 水野 孝彦

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2017年1月12日(木)

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 大手ファミリーレストランが24時間営業を見直して営業時間を短縮するなど、人手不足の影響が広がっている。

 アルバイト求人情報サービス「an」を運営するインテリジェンスによると2016年11月のアルバイト時給(173職種)の全国平均は1007円。前年同月比で21カ月連続の時給上昇で1000円越えは3カ月連続。同調査での外食(フード系)の平均時給は968円と全業種の平均に比べて賃金は低いものの人手不足はより深刻だ。2016年11月の外食(飲食物調理の職業)の有効求人倍率(実数)は3.13倍。全職業平均の1.31倍と比べてもかなり高い。

 an編集長の上土達哉氏によると外食業界では昨年の秋以降、「既存店の人手不足が深刻で、新規出店ができない企業も出てきている。これまでは週3日の出勤が採用の条件だったが、それを週1日でも容認するといった勤務条件の緩和も増えている」という。

 人手不足が深刻になる中で、外国人労働力の重要性も高まっている。サービス産業向けに動画を活用した人材教育システムを提供しているジェネックスソリューションズ(東京都港区、高橋勇人社長)は2016年12月より、5つの言語(英語、中国語、ベトナム語、ミャンマー語、日本語)で外国人従業員が接客マナーや作業ノウハウを学べる動画提供サービスを開始した。既に吉野家と養老乃瀧が導入している。飲食店やサービス業の店で働く外国人留学生に日本と母国との文化や接客マナーの違いなどを動画で教えることで、現場での教育の負担を減らすことが狙いだ。

ジェネックスソリューションズが提供する動画の例。左は外国人が疑問に思っていることを説明する動画の1シーン。右は日本人は「検討」という言葉に様々なニュアンスを込めていることを説明する動画の1シーン。

 記者の感覚からすると、現在の外食産業の深刻な求人難は2006年頃から2008年のリーマン・ショック直前までの状態とよく似ていると感じる。当時の外食産業ではパート・アルバイトを正社員にすることなどで、人材を囲い込む動きが広がりつつあった。しかし、その後のリーマン・ショックで消費は冷え込んでしまって、そうした動きは立ち消えになっていった。しかし、今回は違った展開になるだろう。現在の人手不足はまだ序盤戦で、これからが本番だと考えるからだ。

失業率はまだまだ下がる

 その根拠は、日本銀行がデフレ脱却に向けた金融緩和を推進中であること。日銀は「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」という方針を明示している。目標とされている消費者物価指数(除く生鮮食品)は2016年11月で-0.4%。2%を超えた状態で安定するまでの道のりはまだ遠い。

 物価が安定して上昇するには経済が活性化して失業率が改善し、賃金が力強く上昇する必要がある。2016年11月の完全失業率(季節調整値)は3.1%で、これは歴史的な低水準とされている。だからこそ人手不足も深刻だと感じるわけだが、消費者物価指数(除く生鮮食品)が目標の2%からはほど遠い以上、さらに完全失業率を引き下げる余地がある。政府や日銀はそれを望むはずで、外食を含む様々な業種でさらに人手不足が進むということでもある。

コメント7件コメント/レビュー

世界的には雇用不足で,トランプは「雇用創出」を政策の第一に挙げている。その意味では日本は恵まれていることになるのだろうか。なぜ人手不足なのか。結局,「失われた20年」に絞りすぎた雇用の反動とも取れる。(団塊の世代の大量退職が主因だろうが…)ここで,安易に低賃金的労働で雇用を増やそうとすれば早晩行き詰るだろう。ロボットやAIで置き換え可能な雇用は間もなくなくなるだろうから。そして,いま「人手不足」の現場こそがこうしたロボットやAIの開発最前線になっているはずだ。「労働とは何か。」「雇用とは何か。」改めて問い直すべき時代に来ている。これが「利益・利潤」や「基本的人権」といったところから「資本主義」や「民主主義」といった大本の問題につながっていく「時代の課題」になっている。もう少ししっかりと対象を見つめ,掘り下げて,咀嚼反芻して時代を見通すような「眼」を持ってほしいものだ。(2017/01/12 16:50)

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世界的には雇用不足で,トランプは「雇用創出」を政策の第一に挙げている。その意味では日本は恵まれていることになるのだろうか。なぜ人手不足なのか。結局,「失われた20年」に絞りすぎた雇用の反動とも取れる。(団塊の世代の大量退職が主因だろうが…)ここで,安易に低賃金的労働で雇用を増やそうとすれば早晩行き詰るだろう。ロボットやAIで置き換え可能な雇用は間もなくなくなるだろうから。そして,いま「人手不足」の現場こそがこうしたロボットやAIの開発最前線になっているはずだ。「労働とは何か。」「雇用とは何か。」改めて問い直すべき時代に来ている。これが「利益・利潤」や「基本的人権」といったところから「資本主義」や「民主主義」といった大本の問題につながっていく「時代の課題」になっている。もう少ししっかりと対象を見つめ,掘り下げて,咀嚼反芻して時代を見通すような「眼」を持ってほしいものだ。(2017/01/12 16:50)

■人手不足のさらなる深刻化の予想に大いに同意します。思い出すのは2007年のことです。
■この時期、バブル崩壊以降初めて有効求人倍率が1倍を超え、「人手不足」という声がわずかに聞こえてきました。ネット上で「この程度の景気で人手不足になるようなら、将来労働人口が減るなか大きな景気の波が来れば、人手不足で日本経済は回らなくなる。」と主張し抜本的な少子化対策を提言しましたが、当時は散々にののしられました。「こどもは社会の害悪」との70年代の思想統制がいまだに効いているのです。
■再び将来を予想します。今後、すさまじい勢いで労働力人口が減少します。女性や高齢者の活用といっても余力はもうあとわずかで、労働力減少を補填することは不可能です。本コラムでは外食産業の例を取り上げておりましたが、その前にまず、介護で崩壊が起るでしょう。「保育園落ちた、日本死ね」ならぬ「介護施設落ちた、私に死ねと」という事態が起ることでしょう。次は、外食産業崩壊だと思います。人手不足で出店できなくなり、昼や夜のピーク時には店の前で長蛇の列、公園や道路のベンチで食事、という光景が当たり前の世の中になるでしょう。
■そして悪夢が始まります。他の産業でも次々と崩壊が起り、日本経済が回らなくなったときに、外国人労働者受入れがなし崩し的に解禁されるでしょう。まともに審査もできず、質の悪い労働者が大量に押し寄せ、日本も欧州の二の舞になるのです。
■今から少子化対策してももう手遅れです。今すぐ、善良な外国人労働者の計画的受入れを始めないかぎり、この予想どおりとなるでしょう。そして、このコメントに激しいののしりがくることになれば、予想がますます当たることでしょう。(2017/01/12 12:15)

褒めるということはすなわち褒章、ベースアップを意味する。
口先で褒めても相手には伝わらない。
外食産業もひとが欲しいなら時給単価をあげればいいのだ。それでは利益が出ないというのならば根本的に店の味がまずいのか立地が悪いのか単にブラックなのかだ。(2017/01/12 11:38)

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