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無印が福袋の店頭販売をやめたワケ

「余り物を詰める」へのアンチテーゼを込めた施策

2017年1月17日(火)

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 昨年12月に無印良品で買い物をした際、レジで会計をしていると、ふとある表示が目に入った。「今年は福袋の店舗での販売はございません。本年度の福袋は、ネットストア限定の抽選販売のみとなります」。記者自身は無印のみならず福袋自体を購入した経験はない。一方、無印の福袋が人気を博していることはなんとなく知ってはいた。レジ打ちをするお姉さんに「これ、今年からなんですか?」と何気なく聞いてみると「確かそうだと思います」との返事。なるほどと思いながら、その場はお会計を済ませ、売り場を後にした。

 考えてみれば、そもそも福袋は、もはや店頭で売る意味が薄れてきている。店頭での混み具合や公平性を考えるなら、ネットで予約抽選した方が店側・顧客双方にとってよい。中身が見えないことが前提として定着している特性上、普段は、試着ができない、素材が確認できないといった理由でオンラインでの購入をためらう顧客でさえ取り込める可能性もある。

 さらにいえば、福袋は、元来、メーカーや小売店における在庫処分の意味合いが強い。つまり、在庫コントロールができず、余った商品が多いというのは、メーカーとして在庫コントロールができていないことの証左。それをあたかも価値があるように見せて売ってきたのが「福袋」だとも言える。あるアパレルメーカーの社員は「接客しても売れない商品を売る最終手段。我々関係者はプライベートでは絶対に買わない」と言い切る。

 さらに「リーマンショック以降、無駄なものは買わないというお客様が増え、百貨店自体で取り組む福袋の数は減っている」(高島屋)。にもかかわらず、メーカーによっては「中身を見せる」「サイズを限定する」といった工夫をしながら福袋を“延命”させてきた。

 そのある種の煽りによって期待度が高まり、メーカーがクレームを受けることも増えた。一昨年はアパレルメーカーのマークスタイラーが展開する「アングリッド」の福袋で、“炎上”が起きている。クレームを総括すると「中身がひどい」という話だ。その「ひどさ」の内訳をみると「夏物が入っていた」「80パーセントオフのものがはいっていた」といったものも見受けられる。そもそもが「余剰在庫」を詰め込むのが福袋であることから、セール品が入ったり、季節外れの商品が入ったりすることは、やむを得ない側面がある。一方で、これはメーカーの責任ともいえるはずだ。メーカーが煽り続けたゆえに顧客の期待度との乖離が起きているのだ。

 福袋は、メーカー側のやり方次第ではコストにさえなってしまう商品になっている。

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「無印が福袋の店頭販売をやめたワケ」の著者

染原 睦美

染原 睦美(そめはら・むつみ)

日経ビジネス記者

日経パソコン、日経ウーマンオンラインを経て、2013年4月から日経ビジネス記者。ネットサービス、人物ルポ、などが得意分野。趣味は洗濯、昼酒、ピクニック。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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