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「三菱の客船で火災」、第一報への反省

最初に浮かんだ「延期?特損?」

2016年1月18日(月)

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1月11日、三菱重工業の長崎造船所で火災が発生した。写真=読売新聞/アフロ

 「ん? これは10年以上前の記事じゃない?」

 1月12日の朝にネットで第一報を読んだ時、素直にそう思った。

 三菱重工業、長崎造船所、そして建造中の豪華客船での火災…。2002年に起きた「ダイヤモンドプリンセス」号の火災事故を伝える記事が、何かの関連ニュースとしてひょっこりと顔を出したのだろうと、読み流しかけた。

「いやいや、順番が違うだろう」

 しかし、火災の発生時刻は2016年1月11日の午後8時15分頃。船の名称は「アイーダ・プリマ」で、火元は電気配線のもようだと、長崎発のその記事にはあった(12日時点)。紛れもなく、長崎造船所で現在建造中の客船だ。その後、たばこが原因の可能性があると分かり、13日の晩にもぼや騒ぎが起きるなど管理体制を含めて様々な報道が流れている。真相の究明が待たれる状況だ。

 さて火災騒動が14年前ではなく前の晩の出来事だとわかった時、とっさに、「引渡し時期にどれぐらい影響するのか?」「また特損が出るのでは?」という疑問を頭に浮かべた自分がいた。この2年ほど、三菱重工から数回にわたって、同種の発表資料を受け取ってきたからだ。

 客船建造はもともと、同社の発祥の地である長崎造船所が存続・復権をかけて2011年に掴んだプロジェクトだった。だが、海外の顧客とすり合わせながら設計や調度品の仕様を作り上げていくのは初めての経験。不慣れな業務に苦労し、為替の円安進行によって資材調達費も増加した。2014年3月期には最初の特別損失600億円を計上。同年10月に長崎造船所を訪れた際には、まだむき出しの巨大なホテルのような船体がドックに沈座しており、ほどなく引き渡し時期の延期が発覚した。三菱重工の他の拠点からプロジェクト管理者らを投入して火消しを図ろうとしたが、その後も数回にわたって特損を計上している。

 そうやって、何とか完成に近づけてきたなかでの火災は痛手だ。修繕の規模や新たに生じる部材調達のボリュームによっては、さらなる引渡し時期の延期や特損計上もありうるのではないか。2016年3月期第3四半期の決算発表も近いし、三菱重工から何かしらコメントは出るだろう。

 

 …と、ここまで一気に考えたところで、もう一度記事を読み返した。

 そして、自分にげんなりした。「いやいや、順番が違うだろう」と。

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「「三菱の客船で火災」、第一報への反省」の著者

佐藤 浩実

佐藤 浩実(さとう・ひろみ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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