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神奈川の村で坪20万円の分譲地が売れないワケ

清流まで徒歩ゼロ分、職場まで30分でも応募なし

2016年1月19日(火)

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 神奈川県に村があることをご存じだろうか。丹沢大山国定公園内に位置する清川村は人口は約3000人。相模川水系の中津川が村内を流れ、上流には中津川をせき止めて造った宮ヶ瀬ダムがある。人造湖の宮ヶ瀬湖周辺は観光スポットでイベントも多く開かれる。

 この村の最大の特徴は都市部に近いことだ。厚木市の中心部にある小田急線本厚木駅まではバスで30分、町田市や横浜市、川崎市、東京都内西部までは1時間前後。首都圏への通勤、通学も可能な場所だ。

 本厚木駅からバスに乗って、15分程度が過ぎると、見慣れた都市郊外の宅地風景が一変し、田園風景が広がる。その後さらに、渓谷の風景へと変わる。この変化は驚きだ。

 その立地を生かして清川村では移住政策を打ち出している。村内の舟沢地区にある竹薮だった空き地を村が買い取り宅地として造成。昨年4月、6区画に分け分譲販売を開始した。

通勤環境にも優れた理想的な田舎暮らし

 50坪(約165平方メートル)程度の土地で、価格は1000万円前後、都市部に住んでいる感覚からするとかなりの低価格だ。しかも県道に面した高台に位置し、付近には清流も流れる。遠方には丹沢の山々が望める。最寄りのバス停までは徒歩で3分程度。高台と言っても県道から少し上がる程度で、坂を延々、上り下りしなくてはならない場所ではない。

 清流まで徒歩ゼロ分、バス停徒歩2分、職場が厚木なら30分という具合。都市生活者にとっては、田舎暮らしを始める理想的な場所に思える。

清川村が販売する宅地分譲地。周囲には民間事業者が造成して販売した宅地もある。好条件の物件に思えるが販売状況は思わしくない

 だが、いまだに買い手が付かない。清川村に確認すると1月15日現在、6区画ともまだ販売中だ。なぜ、なのか。

 移住政策を推進する大矢明夫村長も「売れない理由は我々も聞きたいくらいです」と首をかしげる。

 もちろん、売れる確信を持たずに分譲したわけではない。むしろ、清川村では10年前から移住政策を続けてきた実績がある。同様の宅地分譲や村営住宅の運営で過去に成功を収めており、今回も満を持しての分譲販売だった。

 しかも、舟沢地区は村内でも交通至便な場所。実際、民間の事業者が近年、造成した宅地が周囲に広がっており、ニーズは確実にあるように見える。

 だが、分譲を始めて半年が過ぎても、売れない。そればかりか問い合わせすらなくなってきた。そこで昨年9月、清川村は大胆な値下げを打ち出した。

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「神奈川の村で坪20万円の分譲地が売れないワケ」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 国際ジャーナリスト、英エコノミスト誌・元編集長