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偶然の力で新事業に挑むパイオニア

2018年1月26日(金)

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 ある時、チューブわさびの賞味期限が切れていることに気付いた。全て捨てるのはもったいない、少しでも食べてから捨てようと、偶然食べていたバニラアイスと一緒にわさびを食べてみたところ、意外なほど美味しかった。

 それ以来、わさびを付けて食べるのがバニラアイスのお気に入りの食べ方の一つになった。偶然見つけたことも、この食べ方を気に入っている理由である。

 そういえば、ノーベル賞を受賞した発見には偶然の産物が多いという。偶然も良い働きをすることがあるようだ。

 そんな偶然の組み合わせで事業の立て直しを図っている企業がパイオニアだ。これまでの社内に蓄積していた技術を集めたところ、自動運転に欠かせないとして注目が高まっている高精度センサーのレーザーレーダー(LIDAR)を、小型化して安価に量産できる見通しがたったという。

パイオニアは2018年1月1日に80周年を迎えた

撤退した祖業の技術が光る

 LIDARは細くまっすぐ進むレーザーを使ったレーダーだ。1秒間に何十万本のレーザーを照射して、周辺の地形を詳細に計測できる。2020年にも日本の高速道路で実用化が期待されている自動運転車で、車体に搭載する高精度センサーとして注目されている。

 従来のLIDARは乗用車に取り付けるにはサイズが大きく、価格も数十万~数百万円した。一般に販売することを目指す自動運転車に搭載するには小型化とコスト削減が必要だった。

 そんなLIDARを小型化して量産するために必要な技術が、偶然にもパイオニアの社内にあった。

 基本となるレーザーの技術は、CDやDVDといった光ディスクを扱う上で欠かせない。LIDARを小型化する機構は、家電の開発で培った微小な電子部品の技術が応用できた。測定結果からノイズを除去して正確なデータを取得するには、地上波デジタル放送の受信機の技術が役立った。

 経営戦略部の小川和也成長戦略担当部長は「2013年頃、何十もの新事業案の中から消去法でLIDARをやることにした」と振り返る。必要な技術開発に時間がかかりそうな事業案や、多くの競合企業が予想される事業案を消していった結果、LIDARだけが残ったという。

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「偶然の力で新事業に挑むパイオニア」の著者

広田 望

広田 望(ひろた・のぞむ)

日経ビジネス記者

物性物理学で博士号(理学)を取得。日経BPに入社後は「日経コンピュータ」や「ITpro」でIT業界を幅広く取材。2017年10月から日経ビジネス記者として、家庭消費財や化粧品を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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