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日本の宇宙産業、「将来有望」だが伸びない理由

肝心の雇用、ピークの1990年代から2割減

2017年2月1日(水)

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 ロケットや人工衛星などをはじめとする宇宙産業。先日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のミニロケットの打ち上げが失敗したとはいえ、IHI系が手掛けた「イプシロン」2号機の成功や米国のスペースXといった国内外のベンチャー企業の興隆もあり、近年は成長産業としての期待が膨らみつつある。それは正しいが、日本の現状を点検してみると、楽観は禁物だ。

 「あまり広くは知られていないが、宇宙産業の雇用はやや持ち直しているとはいえ、停滞が続いてきた。大学などで宇宙関連をせっかく研究しても就職先として受け皿が乏しい」。JAXA幹部は顔を曇らせる。宇宙産業で主要な企業はロケットを手掛ける三菱重工業、IHI、人工衛星を手掛ける三菱電機、NECの通称「ビッグ4」。これらの企業を頂点とするピラミッド構造のもと、中小サプライヤーが存在している。

2016年12月、低コストを志向したロケット「イプシロン」2号機の打ち上げに成功(写真:JAXA提供)

官需依存で予算頭打ち、企業は人員抑制

 日本航空宇宙工業会によると、宇宙関連事業の従業員数は直近の数字が拾える2014年で約8000人。ピークの1990年代初頭には1万人を超えていた。同じデータでは売上高に極端な変動はなく、3000億円前後で推移しているため、一人当たりの生産性は高まっているとも読める。だがこの数字からはお世辞にもヒトとカネが流れ込む魅力的な成長産業とは言い難い。これまで日本企業の場合、コストを重視する海外などの販路を開拓できておらず、国内の官需に頼った収益構造が特徴で、売上高はほぼ各省庁の宇宙関係の予算とイコールになる。厳しい財政状況を背景に予算が頭打ちとなっており、そうした閉塞感漂う事情を見越して企業側も人員を抑制してきた。

 「振り返ってみれば、1990年に結ばれた日米衛星調達合意が日本の衛星産業発展に大きな打撃を与えた」と指摘するのは三菱電機の蒲地安則執行役員だ。貿易不均衡是正を目指す米国政府の圧力で、日本政府は通信・放送衛星など実用衛星について公開調達すると同意させられた。その結果、競争力の高い米国などの衛星メーカーが大挙して日本に参入。成長途上にあった日本勢は実用衛星から駆逐され、民間のスカパーJSATやBS放送などが現在運用中の実用衛星のほぼすべてを米国メーカー製が占める。官需依存の一因だ。

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「日本の宇宙産業、「将来有望」だが伸びない理由」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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