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家事代行サービスが超えるべき壁

2016年は“家事外注元年”になるか

2016年2月3日(水)

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 ちょうど2年ほど前、日経ビジネス3月24日号で『食卓ルネサンス』という特集を担当した。家庭における“食卓”の変化を捉まえ、コンビニの“食卓化”、食事を作らない主婦、食事の宅配ビジネスなどについて書いた。食卓のみならず、今、「家事」の外注化は年々進んでいるように感じる。

 衣食住で考えるなら、着るものや住まいは外注、つまり、「買う」ことが当たり前になっている。衣食住のみならず、例えば、教育や保育といった機能も“外注”が珍しくない時代になった。一方、食事を中心としたいわゆる「家事」は、まだまだ内製で行われることが多い。洗濯や掃除、食事作り。その多くが「女性の仕事」とされ、未だに外注をためらう文化を内包している。

尋ねられるまで、話さない

掃除を外注する女性は増えている(写真は、家事代行サービスのタスカジのハウスキーパー、以下同じ)

 あれから2年、私自身も働く母親となったこともあり、最近、意識して働く母親に聞いてみている質問がある。「家事って、どうしてる?」。そうすると、意外にも驚くほど多くの女性が日常の家事を外注化していることを知った。特に、掃除の外注化をしている女性が多い。長く付き合っている友人でさえ、敢えて聞くまでそんなことは話題にも上らなかったのに、聞くと「使っている」と答えるのだ。

 「月に2回、定期的に来てもらっているよ」「掃除ついでに食事も作ってもらうこともあるよ」とその利便性を口々に話す。さらに働く母親にとってそれは機能性以上のものを提供しているようである。

 30代後半の友人は、家事の外注が精神的安定に繋がっていると話す。「ただでさえ言うことを聞かない子どもにイライラしてしまうことがあるのに、ようやく子どもが寝静まったと思って部屋を見渡すと部屋の汚さに今度はイライラしてしまってたんだよね。それがなくなったよ」。

 またある30代前半女性はこう話した。「カギを渡して掃除をしてもらってるんだけど、その日は帰宅するのが楽しみになるよ」と。さらにある女性は「やろうやろうと思っていて、結局やれずに逆にそれがストレスになる。掃除を頼むようになってからは、掃除ができてない自分へのストレスから開放されたよ」と。

 家事代行サービスの宣伝みたいな台詞だが、本当にそう言っていることに驚かされる。しかもそれは、尋ねなければ言われない。前段で述べたように、外注をためらう文化、大きな声では言えない文化、のようなものがあるのだろうか。

 野村総合研究所が平成26年から27年にかけておこなったインターネットアンケートによると、家事支援サービスを利用しない理由として3人に1人が「他人に家事等を任せることに抵抗があるため」と答えているという。さらに半数近くが「価格が高い」「他人に家に入られることの抵抗感」を挙げている。

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「家事代行サービスが超えるべき壁」の著者

染原 睦美

染原 睦美(そめはら・むつみ)

日経ビジネス記者

日経パソコン、日経ウーマンオンラインを経て、2013年4月から日経ビジネス記者。IT担当などを経て、日用品・化粧品担当。趣味は洗濯、昼酒、ピクニック。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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