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通信・スマホ業界が直面する失われた15年

総務省の「古文書」から浮かび上がる夢と現実

2016年2月15日(月)

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 昨年末、携帯電話料金の引き下げを巡る総務省の有識者会議(タスクフォース)の素案がまとまった。ポイントは2つある。1つ目はスマートフォン(スマホ)の販売代金を実質ゼロ円以下にして、通信料金で回収していく慣習の見直しをキャリアに迫ったこと。2つ目は、キャリアから回線を借りて割安なサービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)のビジネス環境整備を加速させる方針を定めたことだ。

 これを受けて、前者についてはキャリア各社がスマホの実質ゼロ円販売の見直しに乗り出した。後者についても、これまで回線接続に難色を示していたソフトバンクが水面下でMVNOと連携する動きを見せるなど環境が変わりつつある。

 昨秋の安倍晋三首相の「携帯料金値下げ」要請を受け、にわかに動き出したかに見える通信・携帯電話業界。だが業界関係者にとって、今回の議論は実は何ら目新しいものではない。同様の課題が既に15年前に議論されていたからだ。当時出された報告書が描いた未来と、現状とを比較すると、夢と現実の落差が残酷なほどにくっきりと現れる。

2015年末に開かれた総務省の「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」。ゼロ円端末の見直しやキャリアとMVNOの競争促進などが議論された。

15年前に訪れた「千載一遇のチャンス」

 「IMT-2000上のビジネスモデルの発展に向けて ~新たなプラットフォームの能力が最大限発揮される環境整備と利用者保護ルールの創造のために~」というタイトルの報告書は2001年6月、総務省が立ち上げた「次世代移動体通信システム上のビジネスモデルに関する研究会」によって発表された。

 「IMT-2000」とは、第3世代(3G)が準拠している携帯電話の世界共通規格を指す。日本ではNTTドコモがこの規格に準拠した通信方式を開発。世界に先駆けてサービスを開始し、世界標準の一角を占めるのに成功した。第2世代の通信規格に比べて、第3世代は飛躍的な通信速度の改善が見られた。ここで日本が先行したことを受け、報告書は「会社や家庭のインターネットで出遅れた日本が世界に冠たるIT国家になる千載一遇のチャンス」と期待感を込めて評価した。

 この報告書は次代のモバイル端末や、それを取り巻く通信サービス環境の変化を的確に見通している。「IMT-2000の時代は、モバイル端末に多種多様な機能を詰め込むのではなく、機能やアプリケーションを実現する端末に通信機能が乗る世界になる」とし、「モバイル端末が汎用的なOS(基本ソフト:記者注)を備えるようになる」と予見。この端末によってEC(電子商取引)や音楽配信、金融サービスなど「多様なコンテンツやアプリケーションが多数創造される可能性がある」と喝破した。

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「通信・スマホ業界が直面する失われた15年」の著者

飯山 辰之介

飯山 辰之介(いいやま・しんのすけ)

日経ビジネス記者

2008年に日経BP社に入社。日経ビジネス編集部で製造業や流通業などを担当。2013年、日本経済新聞社に出向。証券部でネット、ノンバンク関連企業を担当。2015年4月に日経ビジネスに復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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