• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

東南アジアと日中の微妙な三角関係

2018年2月20日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 中国の春節休暇が15日から始まった。中国観光研究院などの調査によれば、この時期に650万人もの中国人が海外旅行に出かけるという。中でも人気なのは東南アジア。1位のタイを筆頭に、シンガポール、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどが人気旅行先の上位に名を連ねている。

 タイの首都バンコクは中国人旅行客を迎えるのに余念がない。筆者の自宅近くにあるホテルの正面玄関には「新年快楽!(明けましておめでとう!)」の文字が電飾付きで大きく飾られ、ホテルロビーは中国語が飛び交う。隣にあるショッピングセンターでは中国の圧歳銭(お年玉)をイメージした巨大硬貨のオブジェが登場。宿泊客はここでタイ料理や中華料理に舌鼓を打っていた。

中国の春節に合わせてバンコクのショッピングセンター前に登場したオブジェと屋台街

進む中国のアジア「一路」計画

 東南アジアと中国との結びつきはもともと強い。特にタイやインドネシア、マレーシアなどは中国にルーツを持つ華人や華僑と呼ばれる人々が多く居住し、各国経済に重要な役割を果たしてきた。その距離は今後ますます近くなっていくだろう。東南アジアは中国が提唱する巨大な経済圏構想「一帯一路」のうち「一路」の要衝にあるからだ。

 中国が絡む大規模なインフラ開発計画が東南アジア各国にはいくつもある。中国からラオスの首都ビエンチャンをつなぐ高速鉄道の建設が進んでおり、昨年末には中国が協力するタイの高速鉄道プロジェクトが起工式を迎えた。この鉄道はラオスの鉄道と接続し、最終的には中国まで通貫する計画がある。

 ミャンマーでは昨年、同国西部にあるチャオピューと、中国雲南省の昆明とを結ぶ原油パイプラインが稼働した。これによりマラッカ海峡や東シナ海を経由しなくても中国は中東産の原油を輸入できるようになった。加えてこの地域では中国主導で深海港や工業団地の建設が進む。

 今年1月にはタイやカンボジアなどメコン川流域の5カ国がカンボジアの首都プノンペンで首脳会議を開き、メコン流域各国のインフラ開発や人材育成ついて中国が積極的に協力していく方針が示されている。

求められるカウンターとしての役割

 日本にとっても東南アジアは生産拠点としても市場としても重要だ。そこで中国が日に日に存在感を高めていると聞くと、いずれ各国で中国勢が支配的な地位を占めるようになるのではないかと、つい中国脅威論に傾きそうになる。

 もっとも、この地域での日本と中国、そして東南アジア各国との関係はそう単純でもなさそうだ。

コメント5件コメント/レビュー

東南アジアでは、中国からの団体旅行で金を落とす先は『華僑経営』の大型店。華僑は中国語で中国からの観光客に対応するので、観光客は店を信頼もし財布の紐も緩む。所謂『地元民』には金は落ちない。それでも、国としては経済発展の一助となるので肩入れもする。中国からの『経済援助』はもっと徹底していて、経済協力の事業受け手が華僑であるだけでなく、労務者の多くも本国から送り込まれる。各国の華僑も中国人とすると、観光も経済援助も、金は『中国人から中国人へ』動くだけなので、相手国の多くの民衆にとっては『他人事』でしかない。国としては税収が増えるので、間接的には国民にも『見返り』はあるが目に見えない。日本にも華僑はいるが、東南アジア各国の様に『華僑が経済を牛耳る』状態には無い。そうして見ると、東南アジア各国は中国との関係は『切っても切れない』難しさがある。同化政策を推進している国はあるのだろうか?(2018/02/21 08:08)

オススメ情報

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「東南アジアと日中の微妙な三角関係」の著者

飯山 辰之介

飯山 辰之介(いいやま・しんのすけ)

日経ビジネス記者

2008年に日経BP社に入社。日経ビジネス編集部で製造業や流通業などを担当。2013年、日本経済新聞社に出向。証券部でネット、ノンバンク関連企業を担当。2015年4月に日経ビジネスに復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

東南アジアでは、中国からの団体旅行で金を落とす先は『華僑経営』の大型店。華僑は中国語で中国からの観光客に対応するので、観光客は店を信頼もし財布の紐も緩む。所謂『地元民』には金は落ちない。それでも、国としては経済発展の一助となるので肩入れもする。中国からの『経済援助』はもっと徹底していて、経済協力の事業受け手が華僑であるだけでなく、労務者の多くも本国から送り込まれる。各国の華僑も中国人とすると、観光も経済援助も、金は『中国人から中国人へ』動くだけなので、相手国の多くの民衆にとっては『他人事』でしかない。国としては税収が増えるので、間接的には国民にも『見返り』はあるが目に見えない。日本にも華僑はいるが、東南アジア各国の様に『華僑が経済を牛耳る』状態には無い。そうして見ると、東南アジア各国は中国との関係は『切っても切れない』難しさがある。同化政策を推進している国はあるのだろうか?(2018/02/21 08:08)

「カウンター」という視点は面白い。そもそも,中国の巨大なパワーに正面から対抗しても日本に利が無いという暗黙の妥協だろう。だが,これは東南アジアの視点からの「日本の使い道」だ。この視点を悪い都は思わないし,むしろ必要だとも思う。だが,主導権は東南アジアに渡すことになる。それでよいのだろうか。記者氏にはそこをもう少し考えいてもらいたい。外交の要諦はわからない。だが,「長いお付き合い」をするためにはwin-winの関係でなければならないだろう。この関係性に日本のwinはあるのだろうか。それは目先だけのものになっていないだろうか。さらに,本当に「日本の良さ(価値)」を相手に最大限に示せているだろうか。そのためにも,もっと深く彼(東南アジア)を知り,己(日本)の強みを掘り下げ,独創性をもって新しい価値の世界を切り開く練り上げていく必要はないだろうか。「カウンター」も悪くはないが。「オンリーワン」の「余人をもって代えがたい友」に東南アジアと日本がなれることが最高の目標ではないだろうか。その時に二次的に考えなければならないのは「中国」の存在になるのは当然だ。だが,最初から「妥協」に走るのは少しさみしい。「ナンバーワン」でなくても「オンリーワン」を見つけ出す気概を記者氏に期待する。(2018/02/20 11:38)

ミャンマーの件ですが
日本は一度ビルマ軍政時代に友好関係を結んでいたところを
欧米の圧力に屈して中国に入り込まれてしまったという痛い教訓があるので
今後欧米がロヒンギャ問題でミャンマーに経済制裁をするような事があろうとも
無視して外交関係を保って経済協力を続けるべきですね(2018/02/20 10:49)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

マネジメント層こそ無人化されるべきだ。

野口 悠紀雄 早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問