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便利なAI時代、子どもの忍耐力をどう育むべきか

リーダーたちは親の過保護を危惧している

2018年3月2日(金)

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 日経ビジネスの2月5日号から「AI時代の教育論」というテーマで、様々なリーダーに教育論を語ってもらっている。AI(人工知能)の普及で、未来の仕事の在り方が劇的に変わりそうだ。そんな将来がぼんやりと見えるなかで、子供の教育で悩む親や教師が多いと想定し、リーダーの発言からヒントをつかんでいただきたいと考えた。

 エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長兼社長に始まり、アイリスオーヤマの大山健太郎社長、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長、法政大学の田中優子総長と続き、3月5日号の最終回はJR東海の葛西敬之名誉会長の予定だ。

 意見はそれぞれ異なるが、共通した問題意識がある。それは子供への過保護だ。三菱ケミカルホールディングスの小林会長は、「親から用意された塾などで効率よく勉強し、小手先でごまかしてきた秀才は絶対にリーダーになれないでしょう」と言い、強烈な危機意識をにじませている。

 過保護を象徴する光景は、大学の入学式だろう。最近は新入生に対して同伴を希望する保護者が増えている。日本武道館で入学式を開催する法政大学では、2部制にした上で付き添いは1人の新入生に対して2人までに制限している。

 法政大学の田中優子総長は、学生のスポンサーである保護者に強いことは言いにくいのだろうが、「少々驚く」と話していた。

 昨今は入学だけでなく、就職や結婚まで保護者の関与が強まっており、親向けに会社説明会を開催している企業も増えている。そこまで親から強い保護を受け続けて、果たして自立した大人になれるのだろうか。

 もちろん、変化は小中学校にも起こっている。中学校に約30年間勤めるある教師は、「この30年で最も変わったのは、親と子供の距離感で、中学生の男子と仲がいい親が増えた。あらゆるイベントに親が関わってくる」と語る。

 自分は親としてそんなことをしないと思っていても、気を許せばついつい過保護になってしまうのが人情だ。子供は失敗ばかりするので、失敗する前に手を差し伸べてしまう。

 エイチ・アイ・エスの澤田会長は、「『旅』は学校を休ませてでも行かせろ」と語っていたが、そうできる親はなかなかいない。海外旅行が一般的ではない時代に、1人旅を続けていた澤田会長のご両親の気持ちはいかばかりだったのだろう。

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「便利なAI時代、子どもの忍耐力をどう育むべきか」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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