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“トランプ政権”が招く「1ドル90円再来」

FRBや米産業界の「本音」汲み取るしたたかな毒舌

2016年3月9日(水)

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「強いアメリカ再び」。トランプ氏の毒舌はFRBや米産業界の「本音」も汲み取りながら支持を広げ、「大穴」から「本命」に。(写真:ロイター/アフロ)

 年末に向け金融市場を揺るがしかねない"想定外の悪材料"が漂い始めた。米大統領選の候補者指名争いで、かねてから「円安悪玉論」を唱えてきたドナルド・トランプ氏が共和党候補の「大穴」から「本命」に躍進したことで、市場では株安・円高リスクにつながる懸念がくすぶっているからだ。

 「日本のアベ(安倍晋三首相)は"殺人者"だが、彼奴はすごい。地獄の円安で米国と日本が競争できないようにした」(2015年7月、アリゾナ州での演説)。

 「友人がコマツのトラクターを買ったのは、円安・ドル高のせいで米国が日本との価格競争に勝てなくなったからだ。機械の性能差ではない。このレベルの円安誘導では競争自体が不可能だ」(2015年9月、エコノミスト誌のインタビューで)。

 通貨や通商に対して過激な発言の目立つトランプ氏。みずほ総合研究所が昨年末に公表した「とんでも予想2016」で、可能性こそ低いものの、現実になると影響が大きな項目のナンバーワンがトランプ氏の大統領当選だった。2月から始まった予備選や党員集会で同氏は勝利を重ね、3月1日、候補者選びのヤマ場「スーパーチュースデー」では11州中7州で勝利。共和党候補の指名獲得が現実味を帯びてきた。

 対する民主党はヒラリー・クリントン前国務長官が12州・地域で8勝を挙げ指名獲得をほぼ捉えた。

"毒舌"はFRBの本音に一致か

 トランプ氏の躍進は、金融市場にどのような影響を与えるのだろうか。結論から言えば、投資家が先行き不透明感から日本株などのリスク性資産を敬遠し、円高・株安に拍車がかかる可能性がある。日経平均株価は2月12日に1万5000円を割り込んで以降、足元で1万7000円台半ばまでいったん回復。一時1ドル110円台まで円高に振れた為替も113~114円前後で小康状態を保っているが、今後もこの水準が続く保証などどこにもない。

 振り返れば金融市場のトレンドが転換したのは2013年4月。日銀が大規模な金融緩和に打って出て1ドル=90円台から一気に100円を超えるまで円安に振れた。トランプ氏の主張は、その時点にまで時計の針を巻き戻すことに他ならない。

 確かに、トランプ氏が日本の円安誘導を非難しているからと言って、日銀が金融緩和を打ち止めにする理由にはなり得ない。それでも一段の円高に傾く必然性は、トランプ氏の円安誘導非難が直近のFRB(米連邦準備制度理事会)の目指す政策と一致するところが多いからだ。

 FRBは昨年12月、約10年ぶりに利上げに舵を切った。和製ヘッジファンドの老舗、スパークス・グループの阿部修平社長は、その背景をこう説明する。「米国は景気が良いから利上げに転じたのではない。このままズルズルと金融緩和を続けていれば、いずれ出口戦略を取る時のリスクが大きくなることを悟ったから、早めに利上げに舵を切っただけだ」。

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「“トランプ政権”が招く「1ドル90円再来」」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師