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「国の借金」は心配し過ぎてはいけない

過度の悲観論は事態の悪化を招くだけ

  • 水野 孝彦

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2017年3月21日(火)

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 「国の借金は膨大で、財政再建を急がなければならない」――。そうした意見を聞く機会は少なくない。しかし、それは心配のし過ぎではないかと記者は考える。

 例えば、3月14日時点で日本の長期金利は0.09%。期間10年の国債の利回りが指標となっている。仮に日本政府の借金が増え過ぎて本当に困っているなら、ほぼゼロ金利の国債を買う投資家はいないはずだ。しかし、30年物の国債でも金利は0.875%。40年物国債で1.055%。少なくとも投資家は、国の借金を今の時点で心配してはいないのではないだろうか。

 以前、日経ビジネス本誌のコラム「気鋭の経済論点」に寄稿をお願いしたこともあるソシエテ・ジェネラル証券のチーフエコノミスト、会田卓司氏が2月3日に開催したメディア関係者向けのセミナーで財政再建を急ぎ過ぎることの危険性を指摘した。

内閣府の試算を疑問視

 会田氏が疑問視するのは、2017年1月25日の経済財政諮問会議に内閣府が提出した「中長期の経済財政に関する試算」についてだ。内閣府の試算では2016年度の「一般政府の財政収支」の赤字はGDP対比で5.1%。2015年度は3.3%の赤字なので大幅な悪化を予測している。その赤字幅はこの数年間、徐々に減少していた。会田氏によると「一般政府の財政収支の赤字が確定するには国民経済計算確報を待たねばならず1年くらいの時間が掛かる。しかし、四半期ごとに公表されている日銀資金循環統計から傾向は追えて、2016年度の赤字が大幅に拡大する状況とは思えない」という。「2016年の後半は円安によって税収が増加するはず」(会田氏)なのも財政収支にはプラスだ。

 にも関わらず、これまでのトレンドに反して、なぜ赤字が大幅に拡大する試算となるのか疑問というわけだ。その悲観的な2016年度の予想を起点に、将来の財政赤字を予測すると結果として、政府が掲げる「2020年度の財政健全化目標の達成」も危いという予測が導かれる。追加の歳出削減が必要という声が高まることを会田氏は懸念している。それがデフレからの完全脱却を遠のかせるためだ。

ソシエテ・ジェネラル証券のチーフエコノミスト、会田卓司氏。エコノミストとしてメリルリンチ日本証券やヘッジファンドなどでの勤務を経て現職。

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