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履歴書が人質、ブラック企業を辞められない?

「求人詐欺」にも注意

2016年3月24日(木)

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 「すぐに離職すると転職に響くかもしれないと、ついつい2~3年我慢してしまう人もいる。いわば履歴書が人質に取られている状況」。最近、若者の就職活動に関する取材をしていて、ブラック企業問題に詳しい今野晴貴氏(NPO法人、POSSE代表)に話を聞いた際、強く印象に残った内容だ。3月から2017年卒の就職活動が本格化しているが、多くの就活生にとってもブラック企業問題は他人ごとではないだろう。

 極端な長時間労働や賃金の不払い、パワハラなど、社会問題化しているブラック企業。第三者的な立場から見れば、すぐ辞めて、よりまっとうな転職先を探した方が良いのでは、と考える意見が主流だろうが、必ずしもそう簡単な話ではなさそうだ。

 確かに、短い期間での離職歴があると履歴書にキズがつきかねない。新卒ならなおさら心配だろう。妙な印象を持たれないように、転職先に前の職場がブラック企業だったという具体的な説明をする必要があるが、下手をすると「すぐ辞める人」といった警戒感を抱かれかねない。ブラック企業にしてみれば、そこで働く個々人は使い捨ての駒なのかもしれない。だが履歴書は一人ひとりに一生ついて回る大切なもの。もし自分や家族など身近な人がブラック企業に入ってしまった場合、迅速かつ冷静に判断できるだろうか。問題の根深さを改めて実感させられる。

石の上にも三年、ブラック企業には当てはまらず

 実際、「もうすこしやってみよう」と、我慢したり、様子を見たりしている間に、心身の健康を損ねてしまうケースも少なくないのはご存知の通りだ。人事問題に詳しいヴィベアータの新田龍代表取締役も「石の上にも三年、という日本的な文化はブラック企業に関しては当てはまらない。使い潰される前に行動すべきだ」と強調する。

 ではどうすればよいのか。自分できっぱりと辞める勇気を持つことも大事だが、もし賃金などのトラブルを抱えた場合、専門家は早めに弁護士や労働問題に精通したNPO、コンサルタントなどに相談すべき、という。

 ちなみに、何をもってブラック企業とするのかは、人によって多少異なるだろう。仕事がきつい、プレッシャーをかけられる、上司の態度が気に入らない、といったレベルでは、基本的にブラックとは呼べない。今回取材した専門家の意見を総合すると、仕事を続けても単純作業の繰り返しでスキルが一向に蓄積されず、なおかつ不安定な雇用で低賃金、といったイメージだ。むろん、暴力などのパワハラやセクハラ、賃金不払いなどがあれば真っ黒であることは言うまでもない。

高賃金、好待遇を掲げる「求人詐欺」

厚生労働省もブラック企業対策で若者向けの情報発信を強化(東京都内の表参道駅に掲示してあるポスター)

 就職先を探す段階でブラック企業への警戒感を持つ人が増えるにつれて、「いかにもブラック企業」とはた目にも分かるようなところは減ってきている。それはそうだ。好き好んで働く人はいない。できれば入りたくないと思うのが普通だ。そんな企業は必要な手数がそろわず最終的に事業継続できなくなる。しかし、ブラック企業の方も人手を確保しようと、巧妙な偽装工作を行うなど問題はより複雑化している。

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「履歴書が人質、ブラック企業を辞められない?」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官