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九州大学が開発進める低騒音小型風車発電

「小は大を兼ねる」マルチな風車技術

2016年3月31日(木)

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福岡県春日市にある九州大学筑紫キャンパスに設置したマルチローターシステムの風力発電装置

 「小は大を兼ねる」

 九州大学応用力学研究所の大屋裕二教授はそう話して、新たに開発中の風力発電装置を指さす。

 風車が3つ、三角形に並んだ見慣れない装置。大きな風車1つで発電するのではなく、小さな風車を3つ並べて、同等の電力量を得るマルチローターシステムと呼ぶ仕組みだ。

 小型分散化のメリットの1つが、騒音の軽減。大屋教授は「風車の大型化に伴って問題が深刻化する騒音問題を解決できるのではと期待している」と語る。

騒音問題で進まぬ大型風力の設置

 太陽光や地熱発電などと並んで今後の成長が見込まれる再生可能エネルギーの風力発電。2006年から2014年の8年間で総発電容量は2倍に伸びている。

 だが、先行する太陽光に比べると風力の総発電容量は9分の1程度とまだまだ小さい。

 また、世界的に見てもドイツの3万9165メガワット、スペインの2万2987メガワットに比べ、日本は桁違いに低い2789メガワットにとどまる。世界ランキングでも19位だ。

 成長はしているものの、そのペースは決して速くはない日本の風力発電。ドイツやスペインなど欧州諸国に比べて、安定した風力を得られる場所が少ないことなどがその原因の一つだ。広大な平原が少ない一方、山地が多く海岸線も入り組んでいる日本では、風の吹き方が安定しづらい。

 さらに普及の阻害要因として大きいのが環境への影響だ。風力発電では一般的に、風車が回る時に羽根から出る風切り音や低周波などの騒音が発生する。例え風力発電に適した場所があっても、住宅地に近い場所などには建設するのが難しい。

 風力エネルギーは受風面積に比例するため、風車の羽根が長いほど出力が高くなる。現在、地上に設置する大型風力発電は、羽根を含めて高さ100メートルを超えるメガワット級の装置が主流になりつつある。洋上用の大型風車は出力10メガワットにもなり、高さは250メートルと高層ビル並みになる。

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「九州大学が開発進める低騒音小型風車発電」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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