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「小さくても強い農業はできる」

茨城の野菜農園が示す新時代経営

2016年4月1日(金)

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野菜の鮮度と味にこだわり、小規模ながらも根強い支持を集める茨城の農園を訪問。その生産・販売や運営手法に学び、新時代の農業経営の在り方に迫った。

年間50種類以上の野菜を生産する久松農園の久松達央代表取締役

 つくばエクスプレスの終点、つくば駅から車で約15分。のどかな田園地帯の一角に、広々とした農園が見えてきた。今回の訪問先、久松農園(茨城県土浦市)だ。

有機野菜をネットで直販

 久松達央代表取締役の案内のもと、農園を見て回った。約5haの敷地に常時約20種類、年間では50種類以上の有機野菜を生産する。記者が訪れたのは2月下旬だったが、ホウレン草やカブなど様々な種類の野菜が収穫され、カゴに積まれていた。

 久松農園は農協を通さず、インターネットで注文を受け付け、宅配便を使って消費者に直接販売する。首都圏の個人と、個人経営の飲食店が主な顧客。個人は270軒が定期購入し平均単価は3000円。飲食店は30軒程度が常連で、平均単価は5000~6000円という。

 久松氏はおもむろに畑の中に入り、芽キャベツをもいで持ってきてくれた。1つかじると新鮮な香りが鼻に抜け、口の中に甘みが広がった。「野菜は鮮度が落ちると、香りがなくなっていく」(久松氏)。もぎたての野菜にはこんなに香りがあるのかと驚いた。最近、野菜不足気味だった記者にとって、とても有り難い試食の機会となった。

 味と鮮度、そして直販による安心感。この3つを武器に、顧客と強い関係を築いている。

 久松氏は「食べ物作りに携わりたい」との思いから、会社員を辞めて1999年に就農。当初は地域の農家からなかなか農地を貸してもらえないなどの困難に見舞われたが、1つずつ乗り越え、規模を拡大してきた。

 農地は、現在の5haより大きくすることは考えていない。「規模を拡大しスタッフが増えすぎると、コミュニケーションに時間を取られて野菜作りにちゃんと向き合えない」(久松氏)からだ。

 久松農園の有機野菜の質の高さは九州など遠方でも評判になり、注文が入る。だが「配送に時間がかかり、納得のいく鮮度で野菜を食べていただくことができない」として、代わりに地元の野菜生産者を紹介している。

 経営規模を広げて生産量を増やし、収益の追求をはかる生産者は多い。久松農園はこうした動きとは一線を画し、「小さくて強い農業」を目指す。

コメント1件コメント/レビュー

たとえ日本農業賞を受賞していなくても、このように努力している農業従事者の方々がおられることに感動しました。(2016/04/01 08:50)

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「「小さくても強い農業はできる」」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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たとえ日本農業賞を受賞していなくても、このように努力している農業従事者の方々がおられることに感動しました。(2016/04/01 08:50)

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