• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

世界初「衣類折り畳み機」を生んだ社長の頭の中

名物社長の「イノベーションを生む発想法」に迫る

2017年4月20日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

イノベーションを生む 「3つのフィルター」とは?

 大手企業も巻き込みながら、誰も実現できなかった新しい市場を生み出す――。
阪根社長にはなぜそんな芸当が可能だったのか。会って話を聞くうちに、「この人の頭の中をのぞいてみたい」という思いが募った。 イノベーションを生むために、何か秘訣があるのか尋ねてみると、「2つのルールを自分に課してきた」と明かしてくれた。1つ目は、開発目標を設定する際に「『3つのフィルター』をクリアすること」。2つ目は、目標を達成する方法を「“ゼロベース”で考えること」だという。

 1つ目の、開発目標を設定する際の「3つのフィルター」(下の図)とは、阪根社長いわく、①「人々の暮らしを豊かにすること」、②「技術的に難しいこと」、③「世の中に存在しないこと」の3つ。 阪根さんは、自社を「世の中にないモノを創り出す技術集団」と定義している。そして、高い競争力を持つ製品を生み出すために、開発する製品(開発目標)を決める際、数多くの候補をこの「3つのフィルター」で整理して、絞り込んでいる。①と②をクリアできるものは、特許の申請状況などを調べて、誰も手を着けていないこと(③)を確認できて初めて、開発目標に据えるのだという。

阪根社長は、この「3つのフィルター」をクリアできる製品しか開発しない。開発目標を厳しく設定することで、「ベンチャーでも勝てる市場」を創り出す。

 実際にこうした方法で、ランドロイド以外にも、鼻から挿入していびきや無呼吸を解消する医療用チューブや、カーボン素材を使用した超高精度・超軽量のゴルフクラブのシャフトなど、前例のない製品を生み出してきた。

 ただ正直な印象を言えば、少し厳しすぎる目標を課している気もした。そこまで開発目標を絞り込んでしまうと、事業のチャンスを自ら狭めることになりはしないか。そんな疑問をぶつけると阪根社長は、にこやかだった表情から一転、眦(まなじり)を決してこう説明してくれた。

 「急がば回れではないですが、我々のような規模の小さな開発型のベンチャー企業は、初めにこれくらい厳しく目標を絞り込んで、そこに経営資源を集中させないと、飛躍的な成長につながるような革新的な製品は生み出せない。製品に圧倒的な競争力がなければ、資本力のある企業が追随してきた時に、競争に飲み込まれてしまい生き残れません」。なるほど、何事も始めが肝心と言うが、事業の入り口の「目標設定」で妥協しないことが、最も安全で確実な「生き残り策」というわけだ。

 上述の「3つのフィルター」は、それぞれ①「強いニーズがある」、②「参入障壁が高い」、③「先行者利益を得られる」と言い換えることができる。 つまり、商品化できれば確実に売れて、マネされにくく、特許やブランディングによって他の追随を許さない「独り勝ち」の状況を作れる、そんな分野にしか経営資源を割かないということなのだ。

 「世の中にないモノを創り出す技術集団を目指す」と聞いて、最初は「この人は“夢見がちな”ロマンチストなのかな」とも思ったが、話を聞くうちに、したたかで現実的な戦略眼の持ち主であることが分かってきた。

コメント6

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

韓国がダメでも、日本なら技術を見る「目」が投資家にあるはずだ。

崔 元根 ダブル・スコープ社長