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実現なるか、医師の働き方“抜本”改革

  • 内海 真希

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2017年4月27日(木)

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 201X年4月、ある平日の昼下がり。2歳のAちゃんを自家用車のチャイルドシートに乗せ、母親は総合病院への道を急いでいた。Aちゃんは昨晩から38℃台の熱があり、自宅で様子を見ていたが一向に下がる気配がない。持病の気管支喘息が悪化したようで、ぜいぜいと苦しそうだ。母親がAちゃんを抱きかかえて病院の小児科窓口に駆け込み、主治医の名前を告げると、そこにいた看護師は困惑顔でこう応じた。

 「T先生は、今月の所定時間外労働時間を超過したため、本日から4月末まで休診とさせていただいております。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。近隣の病院も同様の状況で、ここから車で1時間ほど離れたU病院でしたら、小児科専門医をご紹介できますが……」――。

(写真:Jetta Productions/Getty Images)

 政府は3月28日、時間外労働の罰則付き上限規制を盛り込んだ「働き方改革実行計画」を発表した。時間外労働の上限を原則月45時間、労使が合意した場合は月平均60時間(繁忙期は月100時間未満)とし、上限を超えた場合は罰則が科される。

 ただし、一部の業態に関しては、この時間外労働規制の適用が延期された。建設業、運輸業、そして「医師」だ。医師に関しては、2年後をめどに規制の在り方や労働時間を短縮する方策について結論を得て、改正労働基準法の施行2年後をめどに適用することとされた。冒頭のストーリーはフィクションだが、もしすぐさま時間外労働規制が適用されれば、このような光景が現実となり得たのだ。

病院勤務医の平均勤務時間は週61~66時間

 現在、日本では、病院で働く医師が約19.5万人、診療所で働く医師が約10万人(7割超は開設者)いる。特に病院勤務医の長時間労働は深刻だ。これまで行われた幾つかの実態調査によると、病院勤務医の平均勤務時間は週61~66時間と報告されている。当直から明けた翌日も休みを取れず、2日や3日にわたって拘束されることもあるという。

 時間外労働規制の適用が先延ばしにされた理由の一つは、医師に応招義務が課せられていること。医師法19条では、「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と規定しており、これを応招義務と呼ぶ。“サービス業”に分類されることに抵抗感を示す医師は少なくないが、求めがあったら応えることが義務付けられているという点では、究極のサービス業だろう。

コメント4件コメント/レビュー

自己負担額を段階ごとに上げるとか何か対策を考えないと破綻しますね。何回も気軽に行けるのは良い事ですが、限度があります。自主的に市販薬でどうにかする姿勢は確かに大切ですね。(2017/04/27 09:47)

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自己負担額を段階ごとに上げるとか何か対策を考えないと破綻しますね。何回も気軽に行けるのは良い事ですが、限度があります。自主的に市販薬でどうにかする姿勢は確かに大切ですね。(2017/04/27 09:47)

まずは医師の供給面の問題。数年前に医学部定員枠の拡大を図ったものの、私立国立を問わず学生の質の低下が問題となり毎年多くの留年生、国試浪人を出すに至っている。そして特に地方医学部では枠を増やしてももともと都会からの入学者が多いため卒後の地元研修率が低く都会へと戻っていく。医師不足の地域では大病院を統合して拠点化を図っているものの、労働条件は過酷で報酬も低く、開業医へと流れてしまう。
その労働環境であるが、大病院での無定量の労働時間はまあ致し方ないとして、まずは払うものは払うべきである。夜間休日「当直」は、労基法上もともと電話番などの軽作業を本旨として定額の手当金で認められているところ、実態は急患対応のフル診療、労働としてきちんと賃金が払われるべきである。また、診療時間外の急患対応、呼び出しもほとんど超勤扱いがないのが実態、医師の使命感を良いことに国民が医師を搾取していると言わざるを得ない。そもそも給与ベース自体だって、特に国公立病院では財政難を理由に水準ダウンが甚だしく、部長クラスで年収1500万円に届かない。
一方でコラムで触れられた労働時間など上限もないに等しく、手術中に心臓発作で倒れた医師など珍しくも何ともない。これを緩和するには医師の数を増やすしかないが、こういうタダ働き状態なるが故に心が折れた医師は開業し、大病院にソッポを向く。そりゃ、診療時間は守られ収入も多い、面倒な患者は大病院に送ればいいとなれば、誰が苦労を買って出ようか。
労働時間に言及する前に、まずは医師の労力に見合った報酬をキチンと払うこと。これなら今からでも簡単にできるはずである。財源が足りない?健保の扶養家族の保険料負担タダを見直し、せめて大人の扶養家族に対しては頭数に応じた保険料を徴収すればいい。(2017/04/27 09:47)

 ただの”お願い”記事。(2017/04/27 09:42)

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三品 和広 神戸大学教授