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アマゾンの有料特典は「過剰」なのか

EC市場の「飽和」を見据え、大手の総力戦が激化

2017年5月11日(木)

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 日経ビジネスの5月1日号「アマゾン生鮮宅配のアキレス腱」では、アマゾンジャパンが4月下旬に開始した新サービス「アマゾンフレッシュ」の可能性と課題について取り上げた。ネットスーパーで先行するセブン&アイ・ホールディングスなどとの競争激化も予想され、今後アマゾンが生鮮を含む食品宅配の市場でどのような影響力を持ちうるのかは業界の注目の的だ。

 一方、こうした観点とは別に記者が強く感じたのは、アマゾンが足元で矢継ぎ早に始めた他のサービスも含め、ロイヤルカスタマー(上客)の囲い込みに一層力を入れるようになっている現状だ。具体的には、年間3900円を支払い各種特典を利用できる有料会員「アマゾンプライム」の拡大と利用促進である。

 「地球上で最もお客様を大切にする企業になる。このミッションを実現するために大変重要なのです」。4月20日に報道陣向けに開かれたアマゾンフレッシュの発表会。同社プライム統括事業本部長の紣川(かせがわ)謙氏は冒頭に、アマゾンプライムの意義についてこう強調した。

「アマゾンフレッシュ」は月額料金などは別途かかるが、日用品なども含め10万点以上の商品をそろえる。

 アマゾンプライムは日本では2007年に開始。「お急ぎ便」と呼ぶ、購入からいち早く商品を届ける配送サービスを皮切りに、当日配送や日時指定なども順次追加した。その後、2013年からはデジタル関連のサービスも導入。電子書籍「キンドル」で好きなタイトルを毎月1冊無料で読める「キンドルオーナーライブラリー」や、100万曲以上の曲が聴き放題という「プライムミュージック」などがそれだ。

 さらに、2015年からは食品・日用品をスーパーのように1個ずつから購入できる「アマゾンパントリー」、発注から最短1時間で商品を届ける「プライムナウ」を開始。サービスにより配送料が個別にかかったり提供エリアが限られていたりはするものの、業界では大きな衝撃を持って受け止められた。

やりすぎと思うくらい充実した特典

 かくいう記者自身も、実は2007年10月からプライム会員を続けている。長らく会員特典については当日配送など配送に関する追加サービスという意識が強く、正直なところそれ以上の付加価値を見出しているわけではなかった。頻繁にネット通販を利用するため、年間3900円であれば「まあ払ってもいいか」というぐらいの感覚だった。

 だが、ちょうどデジタル関連の特典が大きく増えた2015年頃から、アマゾンプライムに対する印象は変わり始めた。特に2015年に始めた、映画やテレビ番組をパソコンやスマートフォンで見放題という「プライム・ビデオ」は日常的に利用している。折からの動画配信サービスの隆盛やアマゾンが積極的にテレビCMを投入していることもあり、読者の中にはご存知の人も多いだろう。

 そして、今回のアマゾンフレッシュもやはりプライム会員向けの新サービス。これにより配送、デジタル、物販などプライム関連の特典はざっと挙げただけで10以上にのぼる。「わざわざ3900円も払って利用しなくても」という人もいるだろうが、個人的には「やりすぎでは」と思うくらい充実しているように感じてしまう。

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「アマゾンの有料特典は「過剰」なのか」の著者

河野 祥平

河野 祥平(こうの・しょうへい)

日経ビジネス編集記者

2006年日本経済新聞社入社。社会部、消費産業部などで警視庁、ネット業界などを担当。直近では企業報道部でビール・清涼飲料業界を取材。2015年4月から日経ビジネス。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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