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アイリスオーヤマ、家電で「なるほど」の源泉

2017年5月25日(木)

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 収納容器やペット用品などで知られるアイリスオーヤマ。「なるほど家電」と銘打ち、手ごろな価格に設定した炊飯器やふとん乾燥機など、小型家電の開発にも力を入れている。そして今期(2017年12月期)、家電事業が単体売上高の半分を占める見通しという。その強さの源は何か。現場をのぞいた。

 4月下旬のある月曜日、宮城県角田市にあるアイリスオーヤマの拠点「角田I.T.P.」のビルの一階。大学の階段式教室のような会議室で、新商品開発会議が開かれていた。

多い日は70件ほどのプレゼンが行われる

 プロジェクターが映し出す画面の真ん前、最前列にヘッドセットをつけた大山健太郎社長、脇を専務と常務が固めている。複数のモニターが配置され、この時は大阪の家電の開発拠点の会議室とつなげていた。真ん中に開発中の掃除機が置かれ、起立と礼をしてから、担当者によるプレゼンテーションが始まった。

 「軽いタイプを値ごろな価格で提案するものです。サイクロンストリームで軽いながらも、強力なトライ品が上がりましたので説明したい」。司会がてきぱきと大阪にいる担当者に振る。

 担当者が「当初、1.9キロのものを提案していたが、競合が現れたので最軽量をうたうために1.8キログラムまで落としました」と応じたのに対して「どこをどう変えたんや」。さえぎる感じで大山社長が口を挟む。

担当者「ポイントは3つです。モーターのゴムを発泡に変えました、ABS(樹脂)とPP(ポリプロピレン)の比重を軽いものにして50グラム軽く、あとは各部品の肉薄化を」

 再びさえぎって「軽くして強度と性能はどうなんや」と大山社長が質す。

担当者「150ワットまで上がりました」
大山社長「上がった?吸い込み口ちょっと見せて」

 角田拠点の担当者が持っていき、動かしてみる。

担当者「本体が軽いので階段で持ったりできます」
大山社長「従来は2.5キロ?」
担当者「軽いものでそれくらいです」
大山社長「そもそもどこをどう変えた?」
担当者「今回、当然成型品も工夫しているが、モーターの出力は低い。ただ100ワット前提だが、100ワットあれば〇〇(競合の海外メーカー)の吸引力と一緒。大手は500ワットにしている。必要以上の機能だ」
大山社長「でかいモーターを小さくしたんやな」
常務「500ワットだと吸い込みすぎるくらいですね」
大山社長「プロダクトアウトだったんやな」
担当者「実際100ワットあれば問題ない」
大山社長「わかった」

 生産状況と発売日を確認してプレゼンは10分もかからず終了。次のプレゼンに移った。

コメント6件コメント/レビュー

アイリスオーヤマはちょっといい商品をたくさん出していて、どうでもいい買い物をするときは手にすることが多いのは確かだが、入れ替わりが激しく定番商品もいつなくなるかわからないのが不安。家電は大手の衰退の原因であるアイディアと人材の切り捨てを逆手に取ってスピード感ある開発している事に好感を持っている。ただそれもワンマン社長の独断即決体制あってこそ可能な訳で、もしこの先カリスマリーダーを失い衆愚体制に陥ったら家電大手の轍を踏まないとも言い切れない。シャープもソニーも初めは尖った元気な会社だったんだよね。(2017/05/25 17:34)

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「アイリスオーヤマ、家電で「なるほど」の源泉」の著者

庄司 容子

庄司 容子(しょうじ・ようこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社に入社し、社会部、横浜支局を経て企業報道部へ。化学、医療、精密業界、環境などを担当。2017年4月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

アイリスオーヤマはちょっといい商品をたくさん出していて、どうでもいい買い物をするときは手にすることが多いのは確かだが、入れ替わりが激しく定番商品もいつなくなるかわからないのが不安。家電は大手の衰退の原因であるアイディアと人材の切り捨てを逆手に取ってスピード感ある開発している事に好感を持っている。ただそれもワンマン社長の独断即決体制あってこそ可能な訳で、もしこの先カリスマリーダーを失い衆愚体制に陥ったら家電大手の轍を踏まないとも言い切れない。シャープもソニーも初めは尖った元気な会社だったんだよね。(2017/05/25 17:34)

現時点でのアイリスオーヤマの泣き所は「独自性の無さ」ではないでしょうか。新製品といってもどこかでみかけたことのある製品のブラッシュアップ版。
「めのつけどころ」を売りにしていた某メーカーのOBも働いておられるようなので、アイリスが新規開発した独自性の高い製品がでてくると面白い。
ただ、そうしないところがアイリスオーヤマの好業績をささえているとも思えるので、無理する必要はないのでしょうけど・・。(2017/05/25 16:11)

大型家電は耐久性が重要な要素なので、価格も大事であるが、いつまで使えるかという信頼性が、現段階ではまだ不十分だと思える。しかし、照明の分野では、既にトップシェアなのではないかと思えるぐらい、実績を積み上げているのではないだろうか。今の体制を続けていけば、松下を追い抜くぐらいの会社に成長するような予感はある。国内家電メーカーが、どんどん下火になっていく中、アイリスオーヤマには頑張って欲しいものである。(2017/05/25 15:26)

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