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AIで介護革命?熟練の技を“見える化”

豊富なデータで最適な介護ケアを導き出す試み

2017年5月31日(水)

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 AI(人工知能)の活用が様々な分野で行われ始めた。ヘルスケア業界も例外ではなく、特に医療における活用が先行している。海外ではAIに数十万枚の画像データを学習させ、がんの早期発見に役立てる研究が進む。

 日本では東京大学医科学研究所が2015年7月から、米国IBMのAI「Watson for Genomics」を用いた臨床研究を行っている。血液疾患の患者の血液を分析して得られた遺伝子情報をWatsonに入力すると、3500万件を超える論文情報や薬剤データに照らして、その患者に最適な治療法を導き出すというものだ。これまで医師の知識や経験に裏付けられた“勘”に頼っていた診断の精度や効率性が、飛躍的に改善する可能性を秘めている。

 さらに最近では、「介護」の分野でもAIを活用する試みが出始めた。

 例えば介護サービス事業者大手のセントケア・ホールディングは4月14日、AIを使って「ケアプラン」を自動作成する新会社を産業革新機構などと共同出資で設立したと発表した。

 介護保険制度の下で介護サービスを受ける場合はまず、要介護度や本人・家族の希望、生活環境などに応じて、有資格者であるケアマネジャーが「ケアプラン」を作成する。ただ、ケアプランはケアマネジャーの能力や経験に依存しやすく、ノウハウが共有されにくい。そもそも介護保険制度は、要介護者の自立支援や重症化予防を目指すもの。だが実際には、介護スタッフが要介護者や家族の要望に応えようとするあまり“過剰介護”になる傾向があり、「介護スタッフの負担や介護にかかる費用は増える一方」(セントケアHDの村上美晴代表取締役会長)という問題もあった。

 セントケアHDが共同で設立した新会社シーディーアイは、スタンフォード大学のAI研究者が立ち上げた米シリコンバレーのActivity Recognition社と事業提携。セントケアHDなどの介護事業者が持つケアプランの実例や、介護サービス提供前後での要介護度の変化などをAIにインプットし、自立支援や重症化予防につながるケアプランを自動で作成させる仕組みを構築する。既に2万4000件のプロットを学習させたが、「10万くらいになればもっと賢くなる」とシーディーアイの岡本茂雄CEOは意気込む。

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「AIで介護革命?熟練の技を“見える化”」の著者

内海 真希

内海 真希(うつみ・まき)

日経ビジネス記者

2009年日経BP社入社。医師・薬剤師向けの専門誌である日経メディカル、日経ドラッグインフォメーションを経て、2017年4月から日経ビジネス記者。電機、製薬、医療制度などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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