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三菱自動車やスズキの社員にも家族がいる

謝罪会見から見える経営者の姿勢

2016年6月6日(月)

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スズキは2016年5月18日と31日の2回、国土交通省で謝罪会見を開いた。走行抵抗値の測定で国が定めた方法とは異なる手法を用いていた。写真は31日の会見の様子

 2016年5月18日午後4時。取材先の長野県伊那市から東京に戻る飯田線の車中、燃費データの測定違反に関するスズキの記者会見をスマートフォンで視聴していた。

 違反の内容についてはいろいろな見方がある。しかし、ここでは少し別の視点から会見を見てみたい。経営者が暗に社員たちに送っていたメッセージだ。ここに焦点を絞ってみると、同じ発言でも別の側面が見えてくる。

 まずは18日の会見で印象に残った発言を紹介する。

技術者の思いを代弁する技術統括

 鈴木修会長「(社員が)悪意で手を抜いたということであれば問題ですけれども、善意でやったということになりますと人情的に考えなくちゃいけないだろうと思っております」

 本田治副社長(技術統括)「競争ということは当然、私どもも認識しております。従って、負けてはいけないと。こういう言い方をしますと、それがプレッシャーになっていたんじゃないかということにつながってしまうかもしれませんが、ぜひそれだけはご勘弁願いたい」

 「プレッシャーではありません。なぜなら私どもは、徒手空拳で競争に向かおうとしたわけではありません。軽量化だとか、あるいはアイドルストップに始まってエネチャージ(減速エネルギーを回収してためるシステム)とかS-エネチャージ(ためたエネルギーをエンジンアシストに使うシステム)等に電気的な補助装置を次々に改善するということ」 

 「エンジンも刷新するとか、トランスミッションもやり、タイヤについても、タイヤメーカーさんが非常に低転がりの燃費に貢献するタイヤを開発してくれていますので、こういうのを採用する。様々な世の中に提供される部品と同時に、社内での軽量化、電気装置の開発等を通じて競争にチャレンジしてきました。(中略)こうした様々な技術を開発する技術者はこれ(世間からの燃費性能が高いという評価)を励みにしながらやってきた」

 これらの発言を聞いて、「自分がスズキの社員だったらうれしく感じただろうな」と思った。無論、内容については賛否両論あるだろう。ただ、2人が言わんとしていたのは、「社員は社員なりに努力してきた。それだけは理解してほしい」という点だったと思う。

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「三菱自動車やスズキの社員にも家族がいる」の著者

池松 由香

池松 由香(いけまつ・ゆか)

日経ビジネス記者

北米毎日新聞社(米国サンフランシスコ)で5年間、記者を務めた後、帰国。日経E-BIZ、日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)、日経ものづくりの記者を経て、2014年10月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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