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トヨタ系の内装業者がシリコンバレーに赴くワケ

「空飛ぶクルマはすぐに実現する」

2017年6月15日(木)

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 日経ビジネス6月12日号の特集「『空飛ぶクルマ』の衝撃 見えてきた次世代モビリティー」では、米シリコンバレーなどで進む「空飛ぶクルマ」の開発競争、中国での急速な電動化など100年に1度ともいわれる自動車産業の変革の現場を取材し、部品メーカーが形成するピラミッド構造が覆されつつあることを詳報した。

 こうした変化の波に乗って成長を図っている日本企業は、電気やIT(情報技術)産業からの参入組、或いは幅広い技術体系を持ち変化に柔軟に体系できる企業グループが多い。これまで完成車メーカーと歩調を合わせてきた自動車専業の部品メーカーほど悩みは深い。

 トヨタ自動車グループの内装メーカー、トヨタ紡織は昨年、シリコンバレーにマーケティング拠点を開設した。なぜ内装業者がITの聖地に赴くのか。そこには理屈だけでは語れない、伝統企業の焦りがあった。

 「トヨタさんだって、今の基本路線はHV(ハイブリッド車)でしょう?EV(電気自動車)が一気に普及して、我々の仕事がすぐになくなるなんてことはきっとない」。中国地方のあるエンジン部品メーカーのトップはこう話す。これは多くの地方部品メーカーが抱いている本音ではないだろうか。

 バッテリーの重量やコスト、航続距離、長い充電時間──。確かにEVはまだ課題の多い技術だ。発電時の二酸化炭素排出量まで考慮に入れれば、HVが環境性能でも優位にあるとみる専門家も多い。仮に急速にEVが普及したとすれば、そもそも国全体の発電能力が足らなくなるとする試算もある。

 一方、内燃機関の技術の積み上げがない中国、独フォルクスワーゲンの排ガス不正でディーゼル車の看板に傷が付いた欧州は、急速なEV推進策に取り組み始めた。技術的な論争をよそに、次代の環境技術の覇権争いは日本が不得手な政治的パワーゲームの様相を呈している。部品メーカーも完成車メーカーの威光に甘んじることなく、新たな成長の道を探らなければならない。

トヨタ紡織はレクサスなどのシートを手掛ける内装メーカー。昨春、米シリコンバレーに拠点を開設した。

 トヨタ自動車グループといえどそれは変わらない。主要8社の一角で、グループの源流である豊田紡織の名を引き継ぐトヨタ紡織は昨春、米シリコンバレーにマーケティング拠点を開設した。シートなどを手掛ける内装業者がなぜ、IT産業の聖地に赴くのか。発案者の堀弘平副社長は「切迫感があった」と赤裸々に語る。

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「トヨタ系の内装業者がシリコンバレーに赴くワケ」の著者

寺岡 篤志

寺岡 篤志(てらおか・あつし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞で社会部、東日本大震災の専任担当などを経て2016年4月から日経ビジネス記者。自動車、化学などが担当分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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