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マツダの“逆張り”戦略、感性に訴える地味技術

  • 寺岡篤志

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2016年6月15日(水)

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試乗会に参加する記者。GVCは「運転がうまくなった気になる」技術だ。

 5月25〜27日に横浜市で開かれた「人とくるまのテクノロジー展」。自動運転や環境車の技術を紹介したトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車に対し、富士重工業はスポーツセダンの「WRXS4」、マツダはステアリングの応答性能を高める技術「G—ベクタリングコントロール(GVC)」を展示した。「人とくるま」というテーマについて、国内大手メーカーは省力化や環境保護という切り口で打ち出し、中小メーカーは「運転する楽しさ」を前面に出したことになる。

 この対比は現在の自動車産業の構造を象徴するものだ。規模を追う戦略を採る大手は自動運転や環境技術のリーディングカンパニーを目指す。一方、手広く開発を進めるリソースがない小規模メーカーは独自の付加価値が求められている。特にマツダは幹部も「運転しないクルマなんて楽しくない」と話すとおり、自動運転の開発競争には深入りせず、人間を中心に据えたクルマづくりを追及している

 普段はどうしても業界の潮流とされる自動運転などに耳目が集まるが、こうした中小メーカーの「逆張り戦略」も市場の評価は高い。今回は記者が試乗会に参加したマツダのGVCの技術について詳しく紹介したい。

 「マツダ流の地味な技術です」。試乗会に集まった報道陣の前に姿を見せた松本浩幸・同社車両開発本部長の挨拶は、何とも肩の力の抜ける話し口だった。GVCは簡単な物理の原理を組み合わせたものだが、故に効果も地味なのだ。

運転がうまくなった気になる

 GVCは雑ぱくに言ってしまえば「なんとなく運転がうまくなった気になる」技術だ。下図のように、エンジン出力のごくわずかな調整により、車体の荷重を前後に移動させる。曲がり始めでは荷重を前にかけ、前輪の挙動が車体に伝わりやすくする。カーブから抜ける際には逆に後輪に荷重をかけ、立ち上がりを安定させる。効果として、悪路でのふらつきを抑え、カーブを曲がる際にはハンドル操作をスムーズにする。

タイヤにかかる荷重を変化させることで、ハンドル操作がスムーズになる。

 「運転がうまくなった気になる」技術のため、実際に運転がうまい人は効果を実感しにくく、実感したとしてもそのポイントは当人の能力によって異なるようだ。同乗した別の参加者は悪路での運転で「ハンドル操作が楽になった」と話していたが、記者はあまり違いがわからなかった。一方、高速道路を想定した周回路を走った際は、GVCの恩恵をはっきり感じた。 

記者がカーブを曲がった際のハンドルの動き。ハンドルのぶれがGVCで少なくなっている。

 上のグラフは、記者が高速でカーブを曲がった際のハンドルの動きを表したものである。ハンドルのぶれが、GVCを使うと少なくなっているのが分かるだろうか。GVC無しの場合、車体の反応がわずかに鈍り、記者はハンドルを余分に切ってしまい、後でハンドルを戻している。一方、GVCでステアリングの応答性が高まると、センターラインに沿ってハンドルを回すだけでその通りに車体が曲がる。

 数字上ではたかだか数度のぶれが修正されただけだが、自動車担当にもかかわらずペーパードライバーと化している記者にとっては「車って意外と思い通りに動くものだな」と新鮮な驚きに変わった。

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