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280円均一、59円すし 地方都市激安居酒屋の勝算

「田舎戦略」で200店舗出す新興勢力・ヨシックス

2016年6月17日(金)

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そこそこの人口があるのに、手頃な価格の居酒屋が少ない――。こんな地方都市の現状をビジネスチャンスと捉え、積極的に出店し成長を続ける名古屋の新興居酒屋チェーンがある。自ら「田舎戦略」と呼ぶ、その勝利の方程式に迫った。

ヨシックスの主力業態のすし居酒屋「や台ずし」。地方都市での出店を増やしている(写真は記者が訪れた大津駅前町店)

 6月中旬のある日の夜、記者はJR大津駅(滋賀県大津市)に降り立った。翌日の市内での取材に備えて早めに現地入りしたのだが、もう1つ、別な目的もあった。それは、駅前にあるすし居酒屋「や台ずし大津駅前町店」に入ること。「や台ずし」は1カン59円からと、手頃な価格で寿司が食べられるチェーン店だ。

 寿司5カンにつまみ、酒1杯を頼んで、お通し代を入れて価格は税込み約1900円。評判通りの手頃な価格で、味や量も価格に見合った納得のいく水準だった。「出張先で飲み食いしただけではないか」と批判の声が聞こえてきそうだが、ここでは、この居酒屋チェーンが地方都市で進める独自の戦略を、実地で体感するための訪問とご理解頂きたい。

乗降客1万人以上の駅前に展開

 「や台ずし」を運営するのは、名古屋市に本社を置くヨシックス。全品280円均一の居酒屋「ニパチ」など他の業態と合わせて、全国で約200店を展開する新興居酒屋チェーンだ。

 ヨシックスの地方都市での戦略。それは「新幹線の沿線やその周辺で、乗降客が1万人以上。かつパートやアルバイトを雇用できる市町村の駅前に出店する」というものだ。同社では、これを「田舎戦略」と名付けている。乗降客1万人以上で1店、3万人以上で2店、10万人以上で5店の出店を目安としている。

 田舎戦略が有効な理由は大きく分けて2つ。まず、駅前の好立地でも首都圏などに比べて家賃が大幅に安いうえ、採用するアルバイトやパートの時給も低く抑えられる。つまり運営コストが少なく済む。

 「乗降客1万人以上」なら、極端な過疎化が進んでいない地方都市で、一定の外食需要が見込める。それがもう1つの理由だ。地方の駅前では、競合する居酒屋チェーンの出店数が少なく、駅によっては古くからの個人経営の飲食店しかない場合が多い。個人店舗の価格はヨシックスの運営店舗より割高なことが多く、「手頃な価格の店舗を出せば、地域の消費者に受け入れられる」(吉岡昌成社長)。地方の酒場難民の受け皿になれるとの自負がのぞく。

 ヨシックスは目の付け所が良いと言えるだろう。地方都市でも、出店先が幹線道路沿いであれば、帰りの乗用車の運転を気にして酒類を注文する客は限られ、客単価は上がりにくい。これが駅前だと、飲食後に電車や徒歩で帰る客の比率が圧倒的に高まり、客単価の上昇につながる。実際、「や台ずし大津駅前町店」では会計を済ませた客が、次々と駅のホームに向かっていった。

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「280円均一、59円すし 地方都市激安居酒屋の勝算」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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