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「今までありがとう税」を知っていますか

2016年6月22日(水)

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 「今までありがとう税」を知っていますか。

 といっても、覚えのある人はまずいないだろう。立正大学の吉川洋教授が導入を唱えている「空想の税」にすぎないからだ。

 しかし、名前もユニークなこの税は、中身も面白い。高齢者が亡くなる時に持っている金融資産の1割を納税しようというものだ。億円単位のカネを持つお金持ちも、数十万円しかない庶民も、等しく負担しようという、その考えは、「生涯を通じて、教育、警察、医療・介護、年金と、社会から様々な恩恵を受けてきた事に対するお礼」(吉川教授)であるという。

 いきなり聞くと、いかにも天下の暴論のように感じられるかも知れないが、下地も理屈もある。ある官庁の調査によると、個人の場合、所有している土地や自宅などは子供や孫に相続させたいと思っているが、預貯金や株式など金融資産については必ずしもそう考えていない。額にもよるのだろうが「自分たち夫婦や個人で使い切ってしまおうと考えている」(同)という。

増税延期で子供1人、56.4万円の負担増

 必ずしも子供たちに渡したいわけではないとすれば、人生の最後に使い残した分の1割を納税して貰い、社会保障にも財政再建にも生かそうというわけだ。吉川教授によれば、「数兆円の規模になるはず」。

 一見、相続税にも似ているが、そちらは資産を受け継いだ側が納税する。これに対して、ありがとう税は持ち主本人が最後に納税する事で税収も確実に出来るという。

 何故今この話を持ち出したのかと言えば、消費税引き上げの再延期があったからである。2014年4月に消費税を5%から8%に上げ、さらに2015年10月に10%にする予定だったのを2017年4月に延期。それを再び2019年10月に延ばしたのは誰もが知るとおり。

 だが、この影響はよく言われる財政再建への黄色信号、社会保障充実策の先送りといったものだけではない。さらに根深い問題がある。

コメント14件コメント/レビュー

「今までありがとう税」素敵だ。ピケティの「21世紀の資本」でも相続税強化は提言されているが,
強制徴収ではなく,少なくとも名目上は能動的払込みのニュアンスがあってよい。また感謝の心はヒトを豊かにする。同様にコミュニティを豊かにするのではないか。「名前」の持っている「魔力」,「言霊」のちからだ。また,一方で「無税国家」を標榜しておられた松下幸之助先生の言を思い出す。国家がそれなりの資本を蓄積し税収に頼らない仕組みを作る。その際も「富裕税」的な税は残すにしても所得税も法人税も基本的にとらない国家運営が可能かどうか。現実にアラブの産油国などの国家ファンドがやっていることではありそうだ。そんな施策を40年前に「年金の全額国庫負担化」,「年金負担増に備えた愛誠黒字の国家ファンドへの積み立て」なんていうことができていたら,いまの日本はもっとエネルギッシュだったのだろう。過去を悔やんでも始まらない。せめて素敵な名前の相続税,資産課税が少しだけ明るい未来を見せてくれるならそれもありではないだろうか。それでも「せこい無駄使い」はごめんだ。もちろん他にも無駄はあるが…(2016/06/29 17:38)

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「「今までありがとう税」を知っていますか」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「今までありがとう税」素敵だ。ピケティの「21世紀の資本」でも相続税強化は提言されているが,
強制徴収ではなく,少なくとも名目上は能動的払込みのニュアンスがあってよい。また感謝の心はヒトを豊かにする。同様にコミュニティを豊かにするのではないか。「名前」の持っている「魔力」,「言霊」のちからだ。また,一方で「無税国家」を標榜しておられた松下幸之助先生の言を思い出す。国家がそれなりの資本を蓄積し税収に頼らない仕組みを作る。その際も「富裕税」的な税は残すにしても所得税も法人税も基本的にとらない国家運営が可能かどうか。現実にアラブの産油国などの国家ファンドがやっていることではありそうだ。そんな施策を40年前に「年金の全額国庫負担化」,「年金負担増に備えた愛誠黒字の国家ファンドへの積み立て」なんていうことができていたら,いまの日本はもっとエネルギッシュだったのだろう。過去を悔やんでも始まらない。せめて素敵な名前の相続税,資産課税が少しだけ明るい未来を見せてくれるならそれもありではないだろうか。それでも「せこい無駄使い」はごめんだ。もちろん他にも無駄はあるが…(2016/06/29 17:38)

贈与税と相続税の中間と言う事ですか?
思想は面白いと思いますが、機能しますかね?
対象者がありがとうの気持ちを持ってたとしても、そうなる前に
親族が相続前に固定資産に租税回避するだけで、意味なくなると思いますがね。
(降って湧いた金を前にすると人は変わるものです)(2016/06/29 15:03)

この記事は結局のところ消費増税推進の財政均衡派のコマーシャルペーパーで、財務省の言っていることをそのまま書いたに過ぎない。消費税が福祉目的税という明確な法律はないし、そのようにしたら福祉の範疇を明確にする必要があるし、消費税が納税される2月まで福祉予算は執行できないことになる。福祉であろうと防衛であろうと、概算要求で各省庁が必要額を要求し、財務、政府、国会が分け隔てなくそれぞれの裁量で、総予算予測額から必要な配分額を査定する。この査定裁量が選挙で国会議員を選ぶということである。
消費税にしても所得税と変わらず景気に左右されることはこの10年で明確になった。景気減速により所得が減少すれば貯蓄に回される割合が増加し、消費税を上げたとしても税収が上がるとは限らない。特に軽減税率を実行すれば、低収入でエンゲル係数の上昇が見込まれる将来では税収は期待できない。その上、人口減少は消費者自体の減少を示している。
このような日本の状態では、経済活動により税の増収を図る以外に道はない。消費税による需要の減退は増収の正反対の方向であるともいえる。あとは、高齢者の過剰ストックを吐き出させる資産課税以外に増収の道はない。(2016/06/22 22:29)

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