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明治期創業の「竹」専門メーカーはこう復活した

倒産寸前の零細企業を復活させた「3つの戦術」

2017年7月4日(火)

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“竹の伝道師”を自負する竹虎・山岸竹材店の山岸義浩社長。カメラを向けると、地元でしか採れない「虎斑(とらふ)竹」を手に、凛々しい表情でポーズしてくれた。(写真:宮田昌彦)

 高知龍馬空港から車で1時間半、土佐湾に面した高知県須崎市に、竹材専門メーカー、竹虎・山岸竹材店(以下、竹虎)の本社工場がある。知り合いのコンサルタントから、「斜陽産業」と言われるような業種で、倒産の危機から見事復活して、ファンを増やしている会社があると聞かされ、「面白い!」と思い取材に足を運んだ。

 地元産の竹を使った生活雑貨やインテリアなどを職人が丹念に手作りし、自社で運営するウェブサイトで直販。竹ならではの風合いを生かしたオリジナル商品が人気を博し、ECサイト関連の数々の賞を受賞。竹虎の商品を毎月購入する熱烈なリピーターも多い。

 創業明治27(1894)年の同社を率いる「竹虎四代目」こと山岸義浩社長(上の写真)の一押しのヒット商品は、表地に竹の皮を使った「黒革雪駄」(8800円、税別)だ。ジーンズなどのカジュアルな服装に「和のアクセント」として合わせる男性が多いという。私も実際に履いてみたが、竹の皮はサラッとしていて履き心地が実に良い。竹の皮には抗菌作用があり、衛生面でも優れているという。財布のひもがつい緩み、一足いただくことに――。

地元産の竹を使った生活雑貨やインテリアなどを幅広く取りそろえる(写真左:本社工場に併設した店舗、写真:宮田昌彦)
山岸社長一押しのヒット商品は、表地に竹の皮を使った「黒革雪駄」(8800円、税別)。普段着に「和」のテイストを取り入れたい若い男性などの間で人気を博している。(写真右)

 そんな竹虎だが、実はかつて、経営不振が続き、倒産寸前にまで追い込まれたこともあった。地元で採れる竹を利用して長年事業を続けてきたが、生活が洋式化するに連れて、竹ザルなどの日用品や竹垣などの建材の需要が大幅に減少。ピーク時の1980年代半ばに3億円ほどあった売上高は、1990年代後半には半減していた。

 現在は若い世代のファンも引き付け、売上高は2億5000万円(社員20人)あまりに盛り返した。縮み続ける市場の中で、資金力もない中小企業が、いかにして復活を遂げたのか。そこには、ヒト・モノ・カネに余裕のない小さな会社でも実践できる、3つの「身の丈戦術」があった。

身の丈戦術1. 自分たちの持つ「資源」を再確認する

 まず重要だったのは、自分たちの経営資源を見つめ直すことだった。「一生懸命いい仕事をしているつもりでも、売り上げが下がり続けると自信を失って、『俺たちはもう世の中から必要とされていないんじゃないか』という考えにとらわれて、自分たちの製品や技術が本来持っている『価値』が見えなくなってしまう」(山岸社長)。

 そもそも、竹虎が扱う「虎斑(とらふ)竹」は、世界でも須崎市の一部にしか生息していない極めて珍しい品種だ。虎の斑点のような独特の美しい模様があり、古来珍重されてきた。30年ほど前には、英BBCが取材に来たこともあった。それだけの“経営資源”が手元にあっても、「売れない」という事実を突きつけ続けられると、それが見えなくなりがちだ。

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「明治期創業の「竹」専門メーカーはこう復活した」の著者

吉岡 陽

吉岡 陽(よしおか・あきら)

日経ビジネス記者

2001年日経BP入社。日経ビジネス、日経エコロジー、日経トップリーダー、日経ビジネスアソシエを経て、現職。独自の強みを持つ中小ベンチャー企業や環境経営の取り組みなどを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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