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ソニーのロボット再参入は棘の道か

キーマンが続々と去った“失われた10年”の厳しい現実

2016年7月7日(木)

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1999年にAIBOを世に出し、2006年にロボット事業から撤退したソニーが、同分野に再参入する。どのようなロボットを出すのか期待は高まる一方だが、「撤退から10年」の後遺症は重い。この分野でソニーは巻き返せるか。

ソニーが開発した子犬型ロボットのAIBO(右)と、二足歩行型ロボットのQRIO(写真:ロイター/アフロ)

 「やはりあの時、完全にロボットの研究開発をやめてしまったのは旧経営陣のミスだった、と今の経営陣が認めたということでしょうかね。『なぜAIBOやQRIOといったロボット事業から撤退してしまったのか』という、ソニーOBの方々の批判は正しかったということです」――(「オレの愛したソニー」)。

 ソニーが業績不振を理由にロボット事業から撤退したのは2006年。あれから10年が経過した2016年6月29日、経営方針説明会で平井一夫社長兼CEOは、ロボット事業へ再び参入すると明らかにした。その感想をソニーの若手エンジニアに聞くと、冒頭のような率直な意見を吐露してくれた。

 ソニーは「新規事業創出部」と呼ばれる部署を2014年に設立し、既存事業にとらわれない新しい事業を生みだす取り組みを開始している。実際にスマートロックや学習リモコンなどの新製品が同部門で開発されてきたが、やはり現場では「ロボットをもう一度やるべきではないか」という意見が出ていたという。

 今年度の経営方針説明会において、平井社長がロボット関連で明らかにしたのは以下の6つだ。

  1. 心のつながりを持ち、育てる喜びや愛情の対象となるロボットの開発に着手している
  2. 家庭生活を豊かにするだけでなく、製造工程や物流分野への応用も考える
  3. 5月に出資したベンチャー企業、米コジタイのAI(人工知能)技術を活用する
  4. 4月にロボットの事業化に向けた組織を立ち上げた
  5. 感動体験をもたらす新しいビジネスモデルを提案することを目指すが、商品化のメドは適切な時期がきたら発表する
  6. 必要な技術、人材には積極的に投資するため「ソニーイノベーションファンド」と呼ぶベンチャーファンドを7月に設立し、投資の成功確率を高めていく

 5月にAIベンチャーのコジタイへ出資することをソニーが発表していた時点で、ロボット分野への応用が視野に入っていることを関係者から聞いていたので、平井社長の今回の説明に大きな驚きはなかった。一つ気になったのが、上記6点の説明を聞き、ソニーのただならぬ“焦り”を感じたことである。

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「ソニーのロボット再参入は棘の道か」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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