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不正の現場を誌上で再現、あなたは見抜けるか?

神鋼関連会社の工場で起きたJIS法違反の背景を探る

2016年7月11日(月)

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 「今回の不正はなぜ発覚したのか?」

 「親会社から赴任した新工場長が生産会議に出席し、おかしな言葉が使われていることに気付いた」

 神戸製鋼所と持分法適用会社の神鋼鋼線工業は2016年6月9日、緊急の記者会見を開いた。神鋼鋼線工業の100%子会社である神鋼鋼線ステンレスの工場で、日本工業規格(JIS)の標準強度を満たしていないばね用鋼線を一部、JIS規格品として出荷していたという。

 会見には、神戸製鋼の梅原尚人副社長と神鋼鋼線工業の藤井晃二社長、そして不正に気づいた神鋼鋼線ステンレスの渡辺省三常務兼工場長の3人が出席。深々と頭を下げて陳謝した。

左から、渡辺・神鋼鋼線ステンレス工場長、藤井・神鋼鋼線工業社長、梅原・神戸製鋼副社長

 渡辺工場長が不正に感づくきっかけになった「おかしな言葉」というのは、この工場で普段から使われていた「トクサイ」という言葉。「特別採用」の略だ。

 特別採用とは、サイズなどが顧客の当初の要望から外れている不良品でも、顧客が購入を希望する場合は「トクサイ」として販売を認めることを指す。当初の仕様から外れた不良品だったとしても、品質に問題がなければ顧客は十分に使える可能性がある上、安く譲り受けられるというメリットがある。こうした工場独自の「ローカルルール」は、どこの工場にでもよくあることだ。

 トクサイはあくまで顧客が希望し、交渉が成立した場合のみ許可されるものだ。もちろん、トクサイを認めた場合でも、JIS規格から外れていればJISマークを付けて出荷することはできない。

「強度のトクサイなんてあり得ない」

 ところが渡辺工場長が日々の生産状況を報告する会議に出席した時、「強度のトクサイ」という言葉が使われていた。強度不足は品質に関わるため、いかなる場合でも出荷は認められない。そこで気づいた。「何かおかしなことが起きている」と。

 「トクサイという言葉の定義がいつからか曖昧になっていたようだ」(渡辺工場長)。トクサイは本来、ごく限られた特別なケースにのみ許されるものだが、いつからか「トクサイならOK」という拡大解釈につながった可能性がある。こうした事象は決して対岸の火事ではない。

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「不正の現場を誌上で再現、あなたは見抜けるか?」の著者

池松 由香

池松 由香(いけまつ・ゆか)

日経ビジネス記者

北米毎日新聞社(米国サンフランシスコ)で5年間、記者を務めた後、帰国。日経E-BIZ、日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)、日経ものづくりの記者を経て、2014年10月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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