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賞味期限の切れたハコモノで地方を活性化

リノベーションが無駄使いを防ぐ

2015年7月24日(金)

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15年ぶりに復活した徳島県・美波町の銭湯「初音湯」

 地方消滅――。昨年元総務大臣の増田寛也氏が人口減によって896の自治体が消滅しかねないと提言したものだ。日本の総人口は5年連続で減少し、8割の自治体で前年よりも減るなど地方の厳しさが浮き彫りになっている。実際、地方都市では商店街に活気がなくなったり、空き家が増えたりするなど徐々に人口減が進みだしている。

 そんな中、既存施設をうまく活用しながら、今のニーズに合わせた施設にリノベーションして、地方都市の活性化に一翼を担おうとする動きが出てきた。手法は、自治体が建てた大掛かりなハコモノではなく、身近にあるハコモノのリノベーションだ。

 まず向かったのは徳島県の太平洋に面した人口7500人足らずの美波町。ウミガメの産卵やサーフィンのメッカとして有名だが、人口減が進んでいる。

 町は高齢化が進み、空き家も増えてきた。長年住民に親しまれてきた銭湯「初音湯」も閉鎖されたままだった。初音湯は1909年に開業し、1990年に閉鎖されたが、脱衣所や風呂場などはそのまま保存されていた。銭湯は長年、地域住民の交流の場だった。この銭湯をリノベーションして新しい住民交流の場に改修した。

銭湯を集会所にリノベーション

 地域住民だけでなく、観光客も含めた憩いの場としてリノベーションした。美波町には四国八十八ヶ所霊場の23番札所、薬王寺がある。無線LANを完備し休憩所として活用されている。

 かつての脱衣所は井戸端会議ができたり、会合が開けたりする場所に変身。さらに浴場スペースは浴槽を取り払い、ライブラリーや事務所に生まれ変わった。都内にある事務所とテレビ会議をしたり、それぞれが仕事をしていたりする。放課後には子供が遊びにきて、仕事の様子を見学したり、タブレットなどの使い方を教えてもらったりする。運営を受託するあわえの小槻博文氏は「地域の子供たちがIT(情報技術)に触れることで、将来の職業選択の幅を広げてもらうことも期待している」と話す。今月21日には、銭湯の周辺にある古民家を起業支援施設にリノベーションし、若い起業家を誘致していく考えだ。

 美波町には都会にない魅力がある。保育園への待機児童もなく、共働きで起業に没頭できる環境がある。あわえの吉田基晴社長は「近所の方から色々と食べ物を頂くことも多い。起業当初お金が少なくても食べることに困ることはない」と話す。美波町民の多くは漁業に従事しているが、副業をいくつもこなしている人が少なくない。「会社員が少ない。自らを起業家だという意識は低いだろうが、自分で事業を興して仕事を掛け持ちしている人が多い」(吉田社長)。そうした先輩起業家の生の声を拾える機会もある。若い起業家を誘致することで、高齢化が進む町を活性化しようとしている。

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「賞味期限の切れたハコモノで地方を活性化」の著者

西 雄大

西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者

2002年同志社大学経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、ネットなどを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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