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ゴーン氏がのんだ「減額」、役員報酬の新潮流

上場企業役員報酬ランキングを全公開

2016年7月29日(金)

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仏ルノーは、カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)の報酬について、ボーナスにあたる業績連動部分を20%減額すると発表した。ゴーン氏の報酬を巡っては、ルノーの筆頭株主である仏政府が「高すぎる」と批判していた。
(写真:Chesnot/Getty Images)

英首相、役員報酬の抑制を求める

 世界各国で「役員報酬」がやり玉に上がっている。仏ルノーは、フランス政府など株主からの批判を受けて、2016年のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)の報酬からボーナスにあたる業績連動部分を20%減額すると発表した。同社が4月に開催した株主総会ではゴーン氏の報酬を決める議案に54%の株主が反対していた。ルノーによるゴーン氏の2015年の報酬は約725万ユーロ(約8億4000万円)で、日産自動車からの2015年度の報酬は10億7100万円だった。

 EU(欧州連合)からの離脱を決めた英国のテリーザ・メイ新首相は、役員報酬の抑制を求めていることで知られる。これまで穏健な株主と見られていた海外年金基金も、役員報酬の監視を強化することを表明した。株主が報酬に注文をつける「セイ・オン・ペイ」、不正会計などがあった場合に報酬を返還させる「クローバック」や、支払いを繰り延べている報酬を減額する「マルス」といった制度は、既に欧米では一般的だ。

「格差拡大」に対する庶民の不満の高まり

 役員報酬に対する批判の高まりは、「格差拡大」という庶民の不満に根差す面が大きい。一部のエリートが多額の報酬を手にする一方で、一般的な働き手の報酬とは大きな差がついていることに不満を持つ人が増えているのは事実だ。それは、実質賃金の伸び悩みが景気の足を引っ張る日本でも例外ではない。

 ソフトバンクグループが2015年度、副社長だったニケシュ・アローラ氏に支払った報酬は64億7800万円だった。同社社員の平均年齢は40.2歳で平均年間給与は1164万3307円。平均的な社員がいるとして573年間働いて得る額を、1年で手に入れた計算だ。

 これは特異な例としても、日本企業における役員報酬の膨張傾向は明らかだ。本稿の末尾に、東京商工リサーチがまとめた、2015年4月期~2016年3月期決算企業で、1億円以上となった役員報酬リストを全公開している。リストに名前が載ったのは529人となり、過去最多となった。

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「ゴーン氏がのんだ「減額」、役員報酬の新潮流」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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