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利益を100%株主に還元の奇策も「アリ」

トライステージ社長が語る成長戦略と株主対策

2015年7月30日(木)

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 資本市場の活性化が政府の成長戦略でも重視される中、株主への積極的な利益配分を打ち出す企業が増えてきた。従来、日本企業は欧米企業に比べて株主をやや軽視してきたことが、株式市場の長期低迷を招いたとされることへの対応策だ。

 注目されるのは名だたる大企業ばかりだが、知名度や企業規模で見劣りする他の上場企業でも株主への配当を増やす動きはジワリと広がっている。テレビ通販の支援事業を手掛ける、東証マザーズ上場のトライステージもその一つ。財務健全性重視の従来方針を大転換し、利益をすべて株主への配当に回した2015年2月期実績に続き、2016年2月期から2018年2月期まで「配当性向100%」を継続することを今春発表の中期計画に明記した。妹尾勲社長にその狙い聞いた。

 一問一答を紹介する前に、トライステージの事業について簡単に説明しよう。

 トライステージは、消費者向けに商品を販売する顧客企業の求めに応じて、購買層などに合った時間帯やテレビ局などの番組放送枠を広告会社などから調達して提供。訴求力の高い通販番組の制作やコールセンターの運用、その後の効果測定なども含めて幅広く支援する。例えば青汁で知られるキューサイや体操教室を展開するカーブスジャパンなどを顧客に持つ。設立は2006年。2015年2月期の連結業績は売上高が321億円、純利益は5億円。

無防備なキャッシュリッチ企業は買収対象に

どうして配当性向を100%にするのか。

トライステージの妹尾勲社長

妹尾:長期的なファンづくりが狙いだ。当社に魅力を感じて長期にわたって株式を保有する安定株主を増やしたい。これまで、おカネの使い方に関しては戦略的な投資を模索してきた。投資機会が訪れれば手元の現金で賄う、と言い続けてきた。

 だが振り返ってみると、内部留保がたまる一方で、肝心のM&A(合併・買収)は5億円程度の比較的小規模な案件しかなかった。当社は装置産業ではないから、そう大きな投資をするわけでもない。さらに内部留保は現在の状況だと低利での運用しか使い道がない。なぜため続けるのか、株主に合理的に説明できない。それだったら配当で株主に還元しようと。

 これまで無借金経営を続けており、それが自信にもつながっていた。だが無借金を誇るだけでは、財務基盤は盤石かもしれないが、成長できないことに気が付いた。まさかの事態に備えると言っても、幸いなことにその「まさか」はなかった。それで、手元資金を思い切って使ってこそ成長の道が開けると考えるようになった。

 M&Aがはかどらなかったのは当社が待ちの姿勢だったから。待っていても、M&A仲介業者から声がかかるのは(不振企業の)再生案件ばかり。今後の成長が見込め、当社のビジネスモデルを補強するような魅力的な案件はこちらから取りにいかなければ見つからない。ウェブや海外展開などを強化するため、最近、M&Aに長けた人材をスカウトした。

 過剰な負債はよくないが、問題なく返せるだけの負債を持つのは企業としては健全だろう。当社は中期計画でROE(自己資本利益率)10%も目指すことにした。ROEを重視する投資家が増える中、内部留保をため込みすぎている企業は悪い意味で目につく時代になっている。ここ1~2年でそんな思いを強めた。無防備なキャッシュリッチ企業はむしろ買収リスクが高まりかねない。

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「利益を100%株主に還元の奇策も「アリ」」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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