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仏具屋が見る「寺院消滅」

寺が消えれば、私たちも消える

2015年8月4日(火)

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寺院に依存してきた仏具店がピンチ(仏壇・仏具店が並ぶ博多・川端通り商店街)

 地方の過疎化や核家族化に伴い、多くの寺院が存続の危機にある。拙著『寺院消滅~失われる「地方」と「宗教」~』では、苦境に立たされた寺の実態をリポートした。読者の中には、「寺がなくなるのは自明のこと。自分は一向に困らない」という手厳しい意見もあった。

 一方で、寺院がなくなれば困る業界が存在するのも確かだ。仏壇・仏具、法衣、墓石、葬祭…。寺院を取り巻くビジネスは多岐にわたる。ここでは仏具屋や葬儀屋の目線で「寺院消滅」について論じてみたい。

寺院の戦後復興で需要拡大

 まずは、寺院経営が衰退しているひとつの指標を紹介する。

 浄土宗は2012年から2013年にかけて、過疎地にある寺院(863カ寺)を対象にアンケートを実施した。1990年初頭から20年間の檀家の戸数の変化を問うた質問に対し、約60%の寺院が「減少した」と回答。一方で、「増加した」と回答したのは14%にとどまった。檀家の減少は寺院経営に直結し、いずれ寺を維持することが難しくなる。

 次に同時期の宗教用具の国内製造出荷額を見てみたい。ピークは1990年の1299億円で、以降、減少傾向にあり、2007年時点で476億円となっている(経済産業省製造産業局調べ)。最盛期の3分の1近くの規模だ。寺院経営が逼迫する傾向以上に、仏具業界はより大きくダメージを受けているようだ。

 仏具・仏像などを手掛ける宗像(埼玉県入間市)の三浦美紀男社長は、寺院の衰退に危機感を募らせるひとりだ。三浦さんは25年ほど前までの業界を振り返る。

 「仏具業界はお寺さんに対するカタログ販売が主流です。バブル期まではさほど営業努力をせずとも、高額な仏具を次々と納入していただけるような時代でした」

 大戦中は全国の寺が空襲で焼かれた。多くの檀家の親族が戦死した。寺院の再建と、檀家の供養心が相まって、戦後しばらくは寺に多くの仏具が納められた。高度成長期からバブル期にかけての景気上昇局面では、高額の仏具が飛ぶように売れ、檀家は競うように寺に寄進した。

 一方、家庭でも豪奢な仏壇にニーズが集まった。

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「仏具屋が見る「寺院消滅」」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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