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快走・スバル車支える部品メーカーの苦悩

2015年8月18日(火)

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 レガシィなどの販売好調で2015年4~6月期に過去最高の連結純利益を稼いだ富士重工業。2015年の生産計画は全世界で前年比4%増の92万台。このうち約8割の70万台を群馬県内の工場で作る予定だ。富士重と取引関係の深い部品メーカーも活況に沸くが、内実は楽ではない。シート、インストルメントパネル(インパネ)などを納める一次協力工場、しげる工業(群馬県太田市)の名誉会長で太田商工会議所会頭も務める正田寛氏との対話から、国内部品各社の抱える構造的な問題が見えてきた。

 7月下旬。記者は富士重工業が主力工場を構える企業城下町、群馬県太田市を訪れた。さすがに日本一暑い街として知られる埼玉県熊谷市にほど近いだけのことはある。駅舎の温度計が示しているのは36度超。改札口の先には霧吹き状のシャワーミストが設置され、夏休み中の子供たちが上半身裸で浴びている。

 富士重の2015年4~6月期連結決算は最終的なもうけを示す純利益が前年同期比7割増の1342億円。リーマンショック後の円高で大打撃を受けた2010年4~6月期は192億円の最終赤字だったから、ここ5年間で大躍進を遂げたことになる。それは駅前のタクシー運転手も感じ取っている。

記者「しげる工業の本社までお願いします」
運転手「あいよ、しげるさんね…午前中だけでもう3往復目だよ。お客さん、親見積もりの人、それともT2の人? 前は相乗りで行く人も多かったのにぜいたくだね…」

 「親見積もりの人」とは部品を発注する親会社、つまり富士重本体の従業員を示す“隠語”だそうだ。「T2の人」は、しげる工業のような「Tier1(ティアワン=1次下請け)」に、さらに細かな部品を納める「Tier2(ティアツー=2次下請け)」を指すという。これだけ電子メールが発達している時代にタクシーが3往復もするとは、それだけ富士重や部品各社のやり取りが活発だからにほかならない。

「24時間操業でも足りない」

 しげる工業までタクシーに揺られること15分ほど。受付は警備員が一人いるだけで自ら内線電話を掛ける。応接室は通されてから初めてエアコンのスイッチを入れる、徹底した省エネぶりで、製造業のコスト管理が行き届いている様子がうかがえる。作業服を着た正田寛会長が姿を現す。

 しげる工業は年商400億円強。シートやインパネなど内装部品に定評があり、地元の太田市では「東亜工業」「坂本工業」と並んで「御三家」と称される。富士重は北米での販売が好調で、しげる工業もここ1年で1割ほど増員し1000人(派遣、臨時工員などを含む)体制にした。人手に頼るところは2交代制、機械でこなせる工程は24時間操業にしているが、それでも生産が追い付かず、国内と北米の両拠点で大規模な設備投資に踏み切ったほどだ。

コメント4件コメント/レビュー

自動車のサプライヤーは、よほど技術力が無いと価格競争になる。メーカーは部品一点一点の価格を厳しく吟味しています。ただ一番の問題は、経営者の問題です。安易に外国人労働者に頼ろうとしすぎています。これでは生産性が上がりません。60代の人が若い人より生産性が悪いとは如何なものか? 職人さんの仕事は若い人より遅いですか!。それは仕事の仕方の問題です。ただし65を過ぎた人は、多分そんなに給料を要求し無いと思います。週3日以上働くと年金をもらえませんし。年金生活者用の働き口が増えませんかね。(2015/08/18 18:58)

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「快走・スバル車支える部品メーカーの苦悩」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

自動車のサプライヤーは、よほど技術力が無いと価格競争になる。メーカーは部品一点一点の価格を厳しく吟味しています。ただ一番の問題は、経営者の問題です。安易に外国人労働者に頼ろうとしすぎています。これでは生産性が上がりません。60代の人が若い人より生産性が悪いとは如何なものか? 職人さんの仕事は若い人より遅いですか!。それは仕事の仕方の問題です。ただし65を過ぎた人は、多分そんなに給料を要求し無いと思います。週3日以上働くと年金をもらえませんし。年金生活者用の働き口が増えませんかね。(2015/08/18 18:58)

勤務先の会社は全国に12箇所の事業所がありますが、地元で働きたいという若者は少なく無いです。ずっと東京で働いてきた身からすると正直言って、いくら出身地でもあんな田舎がいいの?・・・と思うような地方でもそうです。
それが結果として叶わない理由は、第一に仕事そのものが無いこと、第二に望む条件の仕事が無いことです。
スバルにしても売上不振時に下請けに寄せた"シワ"を、売上好調な今でも寄せっぱなしにしていることによる好業績なのではないかと想像します。そりゃ~地方では景気回復の実感を得られませんよ。魅力的な職場も地方では増えませんよ。地域間格差が広がりますよ。貧富の差も広がりますよ。(2015/08/18 15:18)

国内で働き手が集まらないと言う事は、その企業は労働に見合った(と就労者が納得できる)労働条件を提供していないと言う事だろう。それを放置したままで、外国人労働者をさらに多く受け入れれば、国内の労働市場の崩壊を招くだけのように見える。売れる車を作っているのに、作っている人(日本人)が報われると思えないのは望ましい形ではないだろう。日本企業の製造業の職場の多くは高度に効率化されている反面、働く側にはとっては働きたい場所ではなくなっているように見受けられる。高度成長期は、我慢して働いてでも豊かになりたいと思えたが、今の日本人にそのモチベーションはほとんどない。自動車関係なら、おそらく1日8時間、週5日ラインでみっちり働くのだろうが、これはもはや国内の労働者にとっては働きたい条件ではないだろう。製造業も、短時間就労や、働き方の多様化への対応など、ワークライフバランスの上で、これまでとは違った形の労働条件を提供できないだろうか。半日勤務や、週休3日~4日などを設定し、ゆるく働きたい人や高齢者や女性を集められないだろうか。(2015/08/18 10:40)

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