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東芝、不正会計の次に来る“銀行管理”

有価証券報告書から呻き声が聞こえる

2015年8月11日(火)

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東芝の不正会計問題に関連して、日経ビジネスオンラインでは企業のコンプライアンス(法令遵守)についてアンケートを実施しています。通常の方法では達成不可能な業務目標(チャレンジ)が強制されてきた東芝と同様な経験をお持ちではないでしょうか。率直なご意見をお聞かせください。

回答はこちらから

 巨額の不正会計の闇が晴れない東芝。1518億円に上る利益のかさ上げは分かったが、なぜ東芝はそこまで無理をしたのか。歴代トップは、具体的にどのような指示をしたのか。第三者委員会はそこに踏み込まず、闇の核心はなお見えてこない。

2009年3月期に財務部長を務めていた前田恵造氏。1956年生まれ。1979年慶応義塾大学法学部卒、東芝入社。2008年6月財務部長、2013年6月執行役常務(経営監査部長)、2014年6月取締役、代表執行役専務(財務部担当)、2015年7月取締役、執行役専務(執行役社長補佐担当)。(写真=新関 雅士)

 だが、東芝の有価証券報告書を読み直すうち、明らかに声が聞こえてきた。呻く様な声が。

 着目してみたのは「財務制限条項」という言葉だ。

 財務制限条項とは、銀行など金融機関が貸し付けを行う際に、借り手(債務者)に対して付ける条件である。金融機関が借り手の財政に条件をつけ、借り手側が業績悪化などによって、それを下回る状況になると、即座に返済を迫られる。

 銀行にとっては貸倒リスクを回避することになるが、借り手側はたまらない。多額の借金も、分割して返済なら何とか資金繰り出来ても、一度に返せと言われたら行き詰まってしまうからだ。

財務制限条項が見せる東芝の恐怖

 東芝にこれが付いていた。それも昔からではない。突然、登場してくるのは2009年3月期から。言うまでもなく、前年秋にリーマンショックが起き、東芝はこの期、約3436億円の最終赤字に沈んでいる。しかもこれによって自己資本比率は前期の17.2%から一気に8.2%に急落している。元々、売上高(2008年3月期)7兆2088億円の規模の会社にしては低い比率だったが、もはや、債務超過すれすれという水準に落ち込んだのである。

リーマンショック時に大きな赤字を計上した
●東芝の業績推移
一時は8.2%にまで落ちて財務危機を迎えた
●東芝の自己資本比率の推移

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「東芝、不正会計の次に来る“銀行管理”」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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