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岩手知事選、「自民不戦敗」の波紋

「政権の事情」を優先、政治離れがさらに加速へ

2015年8月25日(火)

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8月20日告示の岩手県知事選は現職が無投票で3選を果たした。自民、公明両党の支援を受けて出馬予定だった平野達男参院議員が直前に立候補を取りやめたためだ。劣勢を懸念した政権の思惑が背景にある。選択肢を奪われた県民からは落胆や批判の声があがっており、有権者の政治離れを一段と加速させかねない。

 任期満了に伴う岩手県知事選が20日告示され、現職の達増拓也氏の無投票での3選が決まった。同県知事選での無投票は戦後に公選制が導入されて以降初めてという異例の事態だ。

早々と浮上していた「撤退論」

 知事選は自民、公明両党の支援を受けた無所属の平野達男参院議員が達増氏に挑む予定だった。民主、共産、生活などの野党が相乗りで推す達増氏との与野党対決の行方が注目されていた。

 ところが、平野氏は告示が迫る8月7日に不出馬を表明した。「国の安全保障が争点となり、県政の在り方が論点になりづらい状況が生じた」と理由を説明したが、額面通りに受け止める向きはほとんどない。

 実は、政府・自民内では6月末ごろから平野氏の「撤退論」が浮上していた。国会での安全保障関連法案審議を巡り、6月初旬に衆院憲法審査会で参考人の憲法学者がそろって安保法案は「違憲」と指摘したことをきっかけに、安倍晋三政権は逆風にさらされた。

 その影響をもろにかぶったのが平野氏だった。岩手県内を回る平野氏に対し、支援者の中からも「安保法案に賛成するなら応援はできない」といった厳しい声が浴びせられたのだ。

 想定外のマイナス要因が重なり、自民の情勢調査で平野氏は達増氏に大きくリードを許す展開となっていた。

 さらに、平野氏が出馬すれば参院議員辞職に伴う参院岩手選挙区補欠選挙が10月に実施される予定だった。安倍首相が再選する公算が大きい自民党総裁選後、初の国政選挙となるため、与野党ともに補選を重要視していた。

 劣勢の平野氏の挽回と参院補選の準備をセットで進めるため、安倍首相は6月中旬、「勝てる候補」と見込んだ増田寛也・元総務相に補選への出馬を打診するも、即座に断られてしまう。

 9月6日投開票の岩手知事選は参院での安保法案審議がちょうどヤマ場を迎える時期に当たる。その後の補選と連敗すれば「岩手ショック」となり、政権へのダメージは大きい。

 このままでは来夏の参院選に向け、野党を勢いづかせてしまう――。安倍首相と自民幹部は「平野氏に出馬を辞退してもらい、議員辞職も思いとどまらせる」のがベストの選択との認識で一致。7月中旬以降、様々なレベルで平野氏に出馬を辞退するよう働きかけを強めていた。

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「岩手知事選、「自民不戦敗」の波紋」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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