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渋谷閉店パルコ、「次」を占う仙台での“実験”

2016年8月30日(火)

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 商業ビル大手として業界で独自の地位を占めるパルコ。最先端のファッション・文化の発信拠点として若者らに大きな影響力を持つ同社が、中高年を主なターゲットとした新たな店舗開発に乗り出した。その第1弾が、今年7月に仙台市で「オトナ 考える PARCO。」と題して開業した「仙台パルコ2」だ。テナントの選定や店内の雰囲気、接客まで従来とは大きく異なる同店は上々の滑り出しを見せている。折しも、パルコを代表する「渋谷パルコ」は建て替えのため、8月7日に43年の歴史にいったん幕を下ろしたばかり。30代も半ばになりもはや若者扱いをされることもめっきりなくなった記者が、仙台を訪れて新店の魅力を探ってみた。

 お盆真っ只中の8月中旬。蒸し暑いJR仙台駅前の西口ロータリーからビル群を眺めると、ひときわ大勢の人々が訪れる真新しい商業施設が目に飛び込んできた。パルコが約75億円を投じて7月1日にオープンした「仙台パルコ2」。2008年から営業する「仙台パルコ」に続く2店目として、地下2階~地上9階の施設内に84の専門店が集まった。

 仙台に向かう約1週間前、若者文化を象徴してきた「渋谷パルコ」が建て替えのため閉店した。1973年の開店から多くの若者を引き付け、新しいライフスタイルを提案してきた旗艦店は2019年秋に、劇場やオフィスも入る新たな複合商業施設として生まれ変わる予定。多くのファンにとっては新店舗がどのような姿になるのか気になるところだが、消費や文化のトレンドを生み出してきたパルコは、すでに足元で新たな戦略を打ち出し始めている。

「仙台パルコ2」はJR仙台駅前の好立地

 「パルコが若者向けというイメージが強くなったのは2000年前後で、実はもともとの我々のテーマは『多ターゲット・多アイテム』であり、幅広い年代の方々に新しい楽しみを提供していくというものでした。特に現在の50代はパルコの発展と一緒に時代を過ごしてきた。今回の新店舗は今の時代に合わせてそうした方々に進化した価値を提供する試みなんです」。同社で店舗開発を統括する溝口岳執行役は仙台パルコ2のコンセプトについてこう説明する。

1階に飲食店街

 もともと、1号店の仙台パルコは10代~30代前半ぐらいまでを主要顧客とし、駅前の好立地にも支えられ順調に売り上げを伸ばしてきた。一方で駅前には大型百貨店がなく、中高年を主な対象にした商業施設の出店余地が大きいと判断。幅広い年代に受け入れられる店作りという創業時のテーマを生かしつつ、1号店と住み分けながら新たな需要を取り込む戦略店舗として計画を進めてきた。

 実際に店内を歩いてみると、そこかしこに発想の転換や創意工夫が反映されているのが分かる。

 入店してまず驚いたのが、飲食店街が1階にあることだ。百貨店や商業施設では珍しい。仙台名物の牛タン料理店やカレーショップ、博多もつ鍋の店などバリエーションは豊富で、この日は休日のお昼時とあって各店舗には長蛇の列が目立った。新業態や東北での初出店をうたう店も多く、あちこちからいい匂いが漂ってくる。店の外からも店舗の活況が手に取るようにわかり、人々を呼び込む装置として機能しているようだ。

7月のオープンから女性を中心に多くの来店客で賑わっている

 1階が飲食店フロアというのは、仙台駅の構造とも関係がある。同駅西口は駅前に広場と歩道橋の機能を併せ持つ「ペデストリアンデッキ」として、駅間のホテルや商業施設とは2階部分で直結している。そのため、来店客は地上1階からの入店以外に2階からも入る人が多く、仙台パルコ2も2階をメインエントランスやジュエリー、バッグの専門店など店舗の「顔」を置くようにしたという。

 2~5階はファッション・美容の専門店がずらりと並ぶが、渋谷パルコに代表される若者向けのショップや内装とは趣が大きく異なる。通路はかなりゆったりと作られ、あちこちに腰を落ち着けられるソファなどを配置。店の顔ぶれもファッションだけでなく、オーガニック系の製品を扱うヘアサロンや漢方とアロマの専門店、だしの老舗として知られる「茅乃舎」なども出店。店内の色調も白やクリーム色を基調とした柔らかい雰囲気だ。

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「渋谷閉店パルコ、「次」を占う仙台での“実験”」の著者

河野 祥平

河野 祥平(こうの・しょうへい)

日経ビジネス編集記者

2006年日本経済新聞社入社。社会部、消費産業部などで警視庁、ネット業界などを担当。直近では企業報道部でビール・清涼飲料業界を取材。2015年4月から日経ビジネス。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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