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「逆張り」のデイサービス経営に挑む兄弟

2016年9月21日(水)

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 9月1日、名古屋市内に新しいデイサービス施設がオープンした。名前は「ミライプロジェクト新瑞橋(あらたまばし)」。新築の鉄筋3階建て。広く明るい印象の建物だ。

ミライプロジェクト新瑞橋(撮影:早川俊昭、以下同)

 同施設を介護業界に詳しい人が見れば驚くかもしれない。業界の「常識」では考えられない、独特な間取りになっているからだ。

 多くのデイサービス施設は食堂と機能訓練室のスペースを大きくとる設計になっている。このスペースの広さによって、利用者の定員が決まるという制度だからだ。そのため、スタッフの休憩スペースも狭くなる施設が多い。

 ミライプロジェクト新瑞橋の設計思想は、その正反対だ。

 1階は食堂と機能訓練室がある「デイサービスフロア」だ。食堂部分は開放感のある吹き抜けになっている。7台のマシンが備えられており、健康づくりをサポートする。

様々なマシンのほか、半身が不自由な人でも足こぎで運転できるクルマ椅子も用意

 2階は「多目的フロア」。菜園や花壇、スタッフの子供を預かる託児室、運動ができるスタジオ、カラオケや麻雀などが楽しめる多目的室などを備える。1階と2階は屋外の階段でもつながっており、利用者が自由に周遊できる。

 3階部分は丸ごとスタッフ専用。寝そべってくつろげる畳のスペースを用意したほか、女性の更衣室には、メークがしやすい照明を備えた化粧台も用意した。前述のように託児室があるのも、子供を持つスタッフにとっては大きなメリットだろう。

3階のスタッフ専用フロアにはくつろげる畳スペースも

 ミライプロジェクト新瑞橋の食堂と機能訓練室のスペースは、3階建てのうち1階の一部に抑えている。さらに「制度上は81人まで利用者を受け入れられるが、定員は70人とした」(運営会社、ミライプロジェクトの牧野隆広代表取締役)という。

「きつい」「給料が安い」「汚い」の頭文字をとって3Kと呼ばれる介護業界。そこには、構造的な原因がある。収入源が介護保険であるため、売上高に上限があるのだ。利益を出すには、定員を最大限増やすと同時に、ギリギリの人員で運営してコストカットをする必要がある。

 それなのに、ミライプロジェクトでは過剰とも言える設備を整えた上に、定員を自ら減らしている。これなら充実したサービスを受けられる施設利用者や、良好な職場環境で働けるスタッフの満足度は高まるだろう。だが、経営は成り立つのだろうか。

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「「逆張り」のデイサービス経営に挑む兄弟」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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