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地銀2強トップが語る「私が再編しない理由」

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2015年10月22日(木)

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 日経ビジネス9/14号のスペシャルリポート「再編無用の個性派地銀」では、あえて再編と距離を置く有力地方銀行の取り組みを紹介した。地銀の歴史はそのまま再編の歴史と言い換えることができる。1990年代前半のバブル崩壊以降、不動産融資の焦げ付きなどで傷んだ自己資本を補うべく、全国規模で合併・経営統合を行なってきたからだ。

 しかし、独立独歩を続ける有力地銀の代表格である静岡銀行、千葉銀行の両頭取に話を聞くと、どうも様子が違う。独自の経営戦略に基づく「私が再編しない理由」はどちらも説得力があった。

10年検討、結論は「相乗効果なし」

 「実はここ10年程、うちの企画部が毎年2~3の銀行を挙げて、合併してどういう風な相乗効果が出るのか検討会を続けてきたんですよ」。再編の可能性について質問すると、静岡銀行の中西勝則頭取からこんな答えが返ってきた。

 「経営方針が同じところか、もしくは補完関係にあるところと再編するのがいいと思うんですが、どちらも候補がいませんでしたね。『難しいけれど考えてみるか』と思ったことが一回もない。だから、去年から検討するのをやめてしまいました。僕の時代に再編はしません」。

 静岡銀の預金量は約8兆7000億円(2015年3月期末)。業界5位の大手地銀だ。健全性を示す自己資本比率も16.55%(同)と圧倒的に高い。そんな静岡銀が目下、力を入れているのが異業種企業との業務提携だ。

 昨年4月、静岡銀はインターネット証券大手のマネックスグループと資本業務提携した。さらに今年8月、クラウド環境で会計ソフトを提供する新興企業「マネーフォワード」への出資や、LIXILグループなどとの住宅メンテナンス会社立ち上げなどを相次ぎ発表している。

中西頭取は2011年、地銀生え抜きとして34年ぶりに全国地方銀行協会(地銀協)会長を務めた(写真:的野弘路)

 保守的な地銀業界で静岡銀の動きは注目を集めている。一連の取り組みを進める理由について中西頭取は、「長引く金融緩和で、伝統的な貸出業務で収益を上げにくくなってきたからです」と説明する。

 一定の金利が付いていた時代には、合併や経営統合によって資産規模を拡大すれば、それに伴って収益が上がっていた。こうした過去の“再編勝ちパターン”は、世界中で競うように金融緩和が行われ、金利がゼロに近づく状況では通用しなくなっている。

 「貸出金利は確かに低下していました。でも、貸出金よりボリュームが大きい預金の金利も同時に落ちていた。だから、貸出金を増やせば収益を上げることができたんです。それが、2009年ごろに預金金利が底に着いてしまった。ところが、貸出金利はまだ底に向かっている。利ザヤはどんどん薄くなりますが、その中で経費を賄わなければいけない。そういう世界に入っているんです」

 「地域密着の預貸金ビジネスは我々の本業で、当然、これからも力を入れていきます。でも、金利が低下する状況はまだ続くでしょう。だから、再編ではなく、異業種との新規事業に力を入れて補っていきます」。

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「地銀2強トップが語る「私が再編しない理由」」の著者

杉原 淳一

杉原 淳一(すぎはら・じゅんいち)

日経ビジネス記者

2005年、日本経済新聞社に入社し、大阪経済部に配属。2009年に東京に異動し、経済部で銀行や農林水産省、財務省、金融庁などを担当。2015年4月から日経ビジネスで金融機関を中心に取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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