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会計基準が東芝をおかしくした

原価計算に潜む不正の原点

2015年11月2日(月)

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(写真=陶山 勉)

 ひとはどこまで無実か――悪事が露見するまで無実である。

 随筆家、山本夏彦の名言にこうある。この名言を思い出したのは、東芝問題の真相はどこかと考えていたからである。

 「内部統制が機能していなかった」。不適切会計が表面化した直後、東芝の田中久雄・前社長は、不正の原因を問われてこう答えた。

 さて、内部統制とは、企業としての目的を適正に達成するためのルールや業務の流れを定め、それが決められた通りに動いているかどうかを監視し、問題があれば、即座に修正するチェック機能のようなものである。

 ところがこれが東芝においては、まるで役に立たなかった。「利益拡大」という一般的には問題のない目標を掲げ、業務は規定通りのプロセスを通っていても、関わる人たちが初めから“不正”を行う気なら事は露見しない。現れないどころか、問題を覆う蓑にさえなってしまう。

問題の根元は「心」にある

 形式は整っていても「実」がないのである。とすると、問題の根元は不正を行う「心」ということになる。ではなぜ、心がおかしくなるのか。元より心根の悪いものばかりが一カ所にあつまることはあるまい。ありえるのは、仕組みが知らず知らずのうちに心をおかしくしてしまうという構図ではないか。

 あえて言えば、今の会計にはそうさせるものが潜んでいる。特に製造業においては。

 会計の基礎の基礎に原価計算がある。その名を聞いて誰でも想像がつくように、製品の原価はいくらかを計算し、損益計算書(PL)に反映し、粗利を計算する。売上高に対して原材料費や加工費がいくらかを計算し、だから粗利はこうなると算出する。

 ところがここがおかしい。原価に入るのは、原材料費や生産ラインにいる従業員の労務費だけではない。実際は、生産には様々な部署が関わるようになっている。生産ラインの調整や生産性アップの支援などを行う生産技術部や、原材料の調達、納入調整を行う購買部、製品の出荷調整などを行う営業企画部…など、多様な共通・間接部門が関係しているのである。

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「会計基準が東芝をおかしくした」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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